舟渡国際法律事務所

平成16年・乗員上陸許可で入国した後13年前後の不法残留、難民認定を受けた定住者の配偶者と婚姻し在留特別許可(許可第17事例)

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平成16年・乗員上陸許可で入国した後13年前後の不法残留、難民認定を受けた定住者の配偶者と婚姻し在留特別許可(許可第17事例)

平成16年・乗員上陸許可で入国した後13年前後の不法残留、難民認定を受けた定住者の配偶者と婚姻し在留特別許可(許可第17事例)

2026/08/07

事例の概要

入国の形が通常の上陸許可とは異なる事案です。平成16年に在留特別許可をした28件のうちの第17事例で、本人は東南アジア出身の35歳男性。1990年に乗員上陸許可で入国した後、不法残留となりました。2002年に、難民として認定され「定住者」で在留する同国人の女性と婚姻しています。2003年に自ら出頭申告し、結果は「定住者(1年)」でした。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

平成16年は判断基準が非公表の時期で、第一次ガイドラインの策定は平成18年10月です。当時は法務大臣の広範な裁量による個別判断でした。以下は現行ガイドライン(令和6年3月改定)に置き直した読み方です。

  • 積極要素・第2の2(2):配偶者が別表第二の「定住者」であり、その家族関係が特に考慮されます。
  • 積極要素・第2の9:自ら出頭して申告したこと。
  • 消極要素・第2の5:入国から13年前後の不法在留期間。長期化を明示的な消極要素としたのは令和6年改定であり、同じ事情を現在そのまま持ち込むことはできません。
  • 消極要素・第2の6:不法残留(該当する号は条文に当たって確認する必要があります)。第2の3の素行不良に当たる記載はありません。

結論を分けた一線はどこか

第3の判断手法は、積極要素が消極要素を明らかに上回るかを見ます。本事例では、配偶者の在留資格が別表第二であり、婚姻の翌年に自ら出頭したという流れが評価されたと読めます。平成17年の不許可第10事例は、日系三世の配偶者に伴われて「定住者」で在留した後に離婚し、更新不許可となった事案で、子の養育費を払わず面会もないとして不許可でした。婚姻が続いているか、そして扶助の実態があるかが分かれ目と考えられます。平成16年分は許可事例のみが公表され、同年内の対比はできません。

弁護士のコメント

第1に、入国の形態がどうであれ、その後に生じた家族関係は独立に評価されるという点です。もっとも、不法在留期間は入国時から数えられますから、時間の経過そのものが消極要素として積み上がります。婚姻が成立した段階で速やかに手続を検討することに意味があります。

第2に、配偶者が難民として認定された定住者である場合、配偶者の側の事情は本人の帰国困難を直接には基礎づけません。第2の7(2)を主張するのであれば、本人自身について客観的な資料を示す必要があります。当時は職権発動による恩恵的措置であり、申請手続が新設された現在(令和5年改正入管法・令和6年6月10日施行、入管法50条1項。考慮事情は同条5項)と同じ結論になるとは言えません。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

平成16年分の公表は許可28件にとどまり、不許可事例が示されていないため、傾向を両側から確かめることができません。載っていない事情に道がないという意味ではありません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、許可後も違反認定処分の取消しを争っています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野とし、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当します。

特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案では、徹底した取調べ対応と不当な取調べへの抗議を積み重ね、全件について不起訴処分を獲得しました。身柄を拘束された段階からの積み上げが結論を左右した例です。

国際的な刑事事件、裁判員裁判の対象事件、世界的に報道された事件への対応実績があります。中国籍の方の重大事件にも多数対応してきました。言語と文化の壁がある事件で、通訳を含む体制を整えて臨みます。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制となるため、当事務所は起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標とします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当します。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐し、依頼者本人のために動く立場で対応します。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携行政書士とワンストップで対応できます。

結語

婚姻が成立した時点で動くかどうかが、その後の見通しに影響します。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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