舟渡国際法律事務所

平成16年・同棲を経て婚姻した直後に稼働先で摘発、それでも在留特別許可|日本人の配偶者等1年(許可第16事例)

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平成16年・同棲を経て婚姻した直後に稼働先で摘発、それでも在留特別許可|日本人の配偶者等1年(許可第16事例)

平成16年・同棲を経て婚姻した直後に稼働先で摘発、それでも在留特別許可|日本人の配偶者等1年(許可第16事例)

2026/08/07

事例の概要

婚姻が成立した後に摘発を受けた事案です。平成16年に在留特別許可をした28件のうちの第16事例で、本人は東アジア出身の29歳女性。1998年に「短期滞在15日」で入国した後、不法残留となりました。2003年から日本人男性と同棲し、2004年に婚姻しています。その後、稼働先で摘発され、退去強制手続に入りました。刑事処分の記載はありません。結果は「日本人の配偶者等(1年)」でした。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

平成16年当時は判断基準が公表されておらず、第一次ガイドラインの策定は平成18年10月です。当時は法務大臣の広範な裁量による個別判断でした。以下は現行ガイドライン(令和6年3月改定)に置き直した読み方です。

  • 積極要素・第2の2(1)(ウ):日本人との法律上の婚姻。婚姻の前に同棲の期間があり、婚姻の安定性を支える事情になります。
  • 積極要素:刑事処分の記載がないこと。
  • 消極要素・第2の5:6年前後の不法在留期間。長期化を明示的な消極要素としたのは令和6年改定で、当時の扱いとは異なります。
  • 消極要素・第2の6:不法残留と、在留資格に基づかない就労(該当する号は条文に当たって確認する必要があります)。
  • 出頭申告(第2の9)には当たりません。端緒は摘発です。

結論を分けた一線はどこか

第3の判断手法は、積極要素が消極要素を明らかに上回るかを見ます。本事例では、摘発という端緒よりも先に婚姻と同居が積み上がっていた点が効いたと読めます。平成17年の不許可第19事例は、「家族滞在」で在留していた女性が配偶者と別居してホステスの就労に専従し摘発された事案で、配偶者が居住や就労を知らなかったこともあり不許可でした。就労の事実があるかどうかではなく、婚姻の実態が残っているかが分かれ目と考えられます。平成16年分は許可事例のみの公表です。

弁護士のコメント

第1に、摘発が先か婚姻が先かという時間の順序です。摘発の時点で婚姻と同居が既に成立していれば、婚姻が手続対策で作られたものではないと説明しやすくなります。摘発直後の供述で同居の状況が正確に記録されるよう、通訳の体制を含めて備えることが大切です。

第2に、就労の評価です。資格に基づかない就労は消極要素ですが、他人の不法就労に関与する立場になると第2の3(イ)に当たり、評価は一段重くなります。当時は職権発動による恩恵的措置であり、申請手続が新設された現在(令和5年改正入管法・令和6年6月10日施行、入管法50条1項。考慮事情は同条5項)と同じ結論になるとは言えません。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

平成16年について公表されたのは許可の28件で、不許可事例は含まれていません。抜粋を全体像と取り違えないことが大切です。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、許可後も違反認定処分の取消しを争っています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野とし、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当します。

不法就労助長罪に問われて退去強制の危機に至った女性の事案では、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を獲得し、さらに退去強制事由には故意・過失が不要とする従来の実務を正面から問う訴訟を現に係争中です。

海外のSNSでの侮辱被害について、日本の警察と国際刑事警察機構(インターポール)の捜査により刑事告訴が受理された事例を扱いました。国境を越える事案の窓口としても対応しています。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制となるため、当事務所は起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標とします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当します。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐し、依頼者本人のために動く立場で対応します。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携行政書士とワンストップで対応できます。

結語

摘発の時点で何が既に成立していたかが、後の評価を左右します。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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