舟渡国際法律事務所

平成16年・稼働先で摘発され退去強制手続となった東欧出身の女性に在留特別許可|日本人配偶者との婚姻で日本人の配偶者等1年(許可第11事例)

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平成16年・稼働先で摘発され退去強制手続となった東欧出身の女性に在留特別許可|日本人配偶者との婚姻で日本人の配偶者等1年(許可第11事例)

平成16年・稼働先で摘発され退去強制手続となった東欧出身の女性に在留特別許可|日本人配偶者との婚姻で日本人の配偶者等1年(許可第11事例)

2026/08/07

事例の概要

働いていた場所で摘発を受けて手続が始まった事案です。平成16年に在留特別許可をした28件のうちの第11事例で、本人は東欧出身の24歳女性。1999年に「短期滞在90日」で入国した後、不法残留となりました。2002年に日本人男性と婚姻しています。その後、稼働先で摘発され、退去強制手続に入りました。刑事処分の記載はありません。結果は「日本人の配偶者等(1年)」でした。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

平成16年当時は判断基準が非公表で、第一次ガイドラインの策定は平成18年10月です。当時は法務大臣の広範な裁量による個別判断でした。以下は現行ガイドライン(令和6年3月改定)に置き直した読み方です。

  • 積極要素・第2の2(1)(ウ):日本人との法律上の婚姻。
  • 積極要素:刑事処分の記載がないこと。摘発を受けても刑事処分に至らなかった場合、消極要素の重さは抑えられます。
  • 消極要素・第2の5:3年前後の不法在留期間。明示的な消極要素とされたのは令和6年改定です。
  • 消極要素・第2の6:不法残留と、資格を有しない就労(該当する号は条文に当たって確認する必要があります)。
  • 出頭申告(第2の9)には当たりません。端緒は摘発です。

結論を分けた一線はどこか

第3の判断手法は、積極要素が消極要素を明らかに上回るかを見ます。本事例では、摘発という端緒の不利を、婚姻の存在が上回ったと読めます。平成17年の不許可第21事例は、日本人と婚姻して在留していた女性が、自ら経営するスナックの摘発で外国人の不法就労を雇用していたと判明し、更新不許可となって不法残留に至った事案で、不許可でした。同じ摘発でも、働いていた側か雇っていた側かで評価が大きく異なると考えられます。平成16年分は許可事例のみの公表です。

弁護士のコメント

第1に、他人の不法就労に関わる立場になると、ガイドライン第2の3(イ)の消極要素に正面から当たり、入管法24条3号の4の不法就労助長行為の問題にもなります。雇用や紹介に関与していたのかどうかは、初期の供述で固まりやすい部分ですから、事実関係を正確に整理して臨む必要があります。

第2に、退去強制事由の判断に故意・過失が要件となるかは、当事務所が現に争っている論点です。認識の有無が問題となる事案では、刑事段階から丁寧に争っておくことが、後の入管手続での主張の基礎になります。加えて当時は職権発動による恩恵的措置であり、申請手続が新設された現在(令和5年改正入管法・令和6年6月10日施行、入管法50条1項。考慮事情は同条5項)と同じ結論になるとは言えません。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

平成16年分の公表は許可28件のみで、不許可事例の対比ができない資料です。載っていない事情の組合せに可能性がないという読み方はできません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、許可後も違反認定処分の取消しを争っています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野とし、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当します。

不法就労助長罪に問われて退去強制の危機に至った女性の事案では、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を獲得し、さらに退去強制事由には故意・過失が不要とする従来の実務を正面から問う訴訟を現に係争中です。

特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案では、徹底した取調べ対応と不当な取調べへの抗議を積み重ね、全件について不起訴処分を獲得しました。身柄を拘束された段階からの積み上げが結論を左右した例です。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制となるため、当事務所は起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標とします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当します。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐し、依頼者本人のために動く立場で対応します。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携行政書士とワンストップで対応できます。

結語

摘発の現場でどのような立場にあったのかが、その後の評価を大きく分けます。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
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