舟渡国際法律事務所

平成16年・難民認定申請の後に所在不明となった男性が日本人女性と婚姻し出頭申告、在留特別許可|難民不認定でも日本人の配偶者等1年(許可第8事例)

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平成16年・難民認定申請の後に所在不明となった男性が日本人女性と婚姻し出頭申告、在留特別許可|難民不認定でも日本人の配偶者等1年(許可第8事例)

平成16年・難民認定申請の後に所在不明となった男性が日本人女性と婚姻し出頭申告、在留特別許可|難民不認定でも日本人の配偶者等1年(許可第8事例)

2026/08/07

事例の概要

難民認定手続と婚姻が交錯した事案です。平成16年に在留特別許可をした28件のうちの第8事例で、本人は南アジア出身の27歳男性。2000年に「短期滞在90日」で入国後に不法残留となり、難民認定を申請したものの所在が分からなくなっています。2001年に日本人女性と婚姻し、2002年に自ら出頭申告しました。難民としては認定されませんでしたが生活は安定していると評価され、結果は「日本人の配偶者等(1年)」です。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

平成16年当時は判断基準が非公表で、第一次ガイドラインの策定は平成18年10月です。当時は法務大臣の広範な裁量による個別判断でした。以下は現行ガイドライン(令和6年3月改定)に置き直した読み方です。

  • 積極要素・第2の2(1)(ウ):日本人との法律上の婚姻。生活は安定と評価されています。
  • 積極要素・第2の9:自ら出頭して申告したこと。
  • 消極要素・第2の5:2年前後の不法在留期間。長期化の明示は令和6年改定で、当時の扱いとは異なります。
  • 消極要素・第2の6:不法残留(該当する号は条文に当たって確認する必要があります)。
  • 難民認定申請の後に所在不明となったことは、手続からの離脱として消極に評価され得ます。第2の7(2)(本国情勢による帰国困難)に当たるとの評価はうかがえません。

結論を分けた一線はどこか

第3の判断手法は積極要素が消極要素を明らかに上回ることを求めます。本事例では、難民としては認められない一方で、婚姻に基づく生活の安定と自らの出頭が積極要素として重ねられたと読めます。平成17年の不許可第9事例は、退去強制後に偽造旅券で再び不法入国し、薬物事犯も発覚して有罪となった事案で、家族との関係も途絶えていました。経緯に重ねた違反があるかどうかが分かれ目と考えられます。平成16年分は許可事例のみの公表で、同年内での比較はできません。

弁護士のコメント

第1に、難民認定手続との関係です。難民として認定されなくとも、在留特別許可の判断は別の枠組みで行われます。家族関係と生活の安定という積極要素を独立に立証する組み立てが要点です。

第2に、出頭申告の位置づけです。所在が分からない期間があるという消極的な事情を、自ら出頭することで一定程度打ち返した形と読めます。もっとも出頭は手続の開始でもありますから、婚姻の実態を示す資料を先に整えておきたいところです。注4は令書発付後の事情変更を原則として考慮しません。当時は職権発動による恩恵的措置であり、申請手続が新設された現在(令和5年改正入管法・令和6年6月10日施行、入管法50条1項。考慮事情は同条5項)と同じ結論になるとは言えません。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

平成16年分は許可28件が公表されただけで、不許可事例の公表を欠きます。網羅性のない資料に載っていないことを、許可の可能性がない根拠にはできません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、許可後も違反認定処分の取消しを争っています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野とし、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当します。

観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの在留資格を失った事案では、婚姻・認知が未了で当局から一旦不受理とされたところ、憲法的観点から交渉して婚姻・認知を成立させ、国籍国発行の公的書類がほとんど存在しない状況下でも有利な資料を集め、1回の申請で在留特別許可を獲得しました。

海外のSNSでの侮辱被害について、日本の警察と国際刑事警察機構(インターポール)の捜査により刑事告訴が受理された事例を扱いました。国境を越える事案の窓口としても対応しています。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制となるため、当事務所は起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標とします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当します。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐し、依頼者本人のために動く立場で対応します。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携行政書士とワンストップで対応できます。

結語

難民認定の結果と在留特別許可の判断は別ものです。それぞれに応じた立証が必要になります。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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