舟渡国際法律事務所

平成16年・不法入国から数月で日本人男性と婚姻し自ら出頭申告、翌年に長男|違反期間の短い事案で日本人の配偶者等1年(許可第4事例)

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平成16年・不法入国から数月で日本人男性と婚姻し自ら出頭申告、翌年に長男|違反期間の短い事案で日本人の配偶者等1年(許可第4事例)

平成16年・不法入国から数月で日本人男性と婚姻し自ら出頭申告、翌年に長男|違反期間の短い事案で日本人の配偶者等1年(許可第4事例)

2026/08/07

事例の概要

違反状態が短いうちに婚姻と出頭が重なった型です。平成16年に在留特別許可をした28件のうちの第4事例で、本人は東アジア出身の29歳女性。2002年に関西で不法入国し、同年11月に日本人男性と婚姻、翌年に長男が生まれています。同じ2002年のうちに自ら出頭申告しており、結果は「日本人の配偶者等(1年)」でした。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

平成16年当時、在留特別許可の判断基準は公表されておらず、法務大臣の広範な裁量の下で個別に判断されていました。第一次ガイドラインの策定は平成18年10月です。以下は現行の枠組み(令和6年3月改定)に置き直した読み方です。

  • 積極要素・第2の2(1)(ウ):日本人との法律上の婚姻。婚姻後に夫婦間の子が生まれています。
  • 積極要素・第2の9:自ら地方の官署に出頭して申告したこと。
  • 積極要素:家族とともに生活する子の利益の保護の必要性(令和6年改定で明示)。
  • 消極要素・第2の6:不法入国。上陸の手続を経ていない点で、不法残留とは反社会性の評価が異なり得ます。
  • 消極要素・第2の5:不法在留期間は1年に届かない短さです。長期化を明示的な消極要素としたのは令和6年改定であり、当時の評価と同一ではありません。

結論を分けた一線はどこか

積極要素が消極要素を明らかに上回るか、という第3の判断手法に照らすと、本事例は婚姻・子・出頭の三つが揃い、違反期間も短いという組合せです。平成17年の不許可第5事例は、一度退去強制された後に他人名義の旅券で再び不法入国し、日本人女性と婚姻して出頭したものの、同居の事実がなく供述にも矛盾があるとされて不許可でした。不法入国という違反態様が共通しても、婚姻の実態と再度の違反の有無で結論が分かれると考えられます。平成16年分は許可事例のみの公表であり、この対比は平成17年分に頼るほかありません。

弁護士のコメント

第1に、初動の順序です。本事例は婚姻が成立し、子の出生が見込まれる段階で出頭しています。出頭は手続の開始でもありますから、婚姻の成立と同居の開始を示す資料を先に整えたうえで臨む方が、違反審査の段階で主張を組みやすくなります。注4は令書発付後の事情変更を原則として考慮しません。

第2に、刑事処分がない事案での立証です。同居の実態、家計の一体性、母子健康手帳や出生に関する記録、周囲の陳述などを積み上げることになります。加えて、当時は職権発動による恩恵的措置でした。令和5年改正入管法(令和6年6月10日施行)で申請手続が新設され(入管法50条1項)、考慮事情も法律上明示された(同条5項)現在では、同じ事情でも評価が変わり得ます。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

この資料に載るのは各年20件台の抜粋で、平成16年分は許可事例だけが公表されています。掲載がないことは不許可の証明ではありません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、許可後も違反認定処分の取消しを争っています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野とし、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当します。

観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの在留資格を失った事案では、婚姻・認知が未了で当局から一旦不受理とされたところ、憲法的観点から交渉して婚姻・認知を成立させ、国籍国発行の公的書類がほとんど存在しない状況下でも有利な資料を集め、1回の申請で在留特別許可を獲得しました。

特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案では、徹底した取調べ対応と不当な取調べへの抗議を積み重ね、全件について不起訴処分を獲得しました。身柄を拘束された段階からの積み上げが結論を左右した例です。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制となるため、当事務所は起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標とします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当します。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐し、依頼者本人のために動く立場で対応します。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携行政書士とワンストップで対応できます。

結語

出頭の前に何を整えておくかで、その後の審査での主張の組み立てが変わります。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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