舟渡国際法律事務所

平成17年・出頭申告し起訴猶予も得たが同居の実態がなく不許可|不起訴だけでは足りなかった事例(平成17年不許可第18事例)

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平成17年・出頭申告し起訴猶予も得たが同居の実態がなく不許可|不起訴だけでは足りなかった事例(平成17年不許可第18事例)

平成17年・出頭申告し起訴猶予も得たが同居の実態がなく不許可|不起訴だけでは足りなかった事例(平成17年不許可第18事例)

2026/08/07

事例の概要

不起訴処分を得ても、婚姻の実質が示されなければ結論は動きません。平成17年の不許可25件の第18事例です(法務省入国管理局が平成20年12月公表)。本人は西南アジア出身の42歳男性。1991年に「研修6月」で入国し、不法残留となりました。2004年に日本人女性と婚姻して自ら出頭し申告しています。退去強制手続中に入管法違反で逮捕されましたが、起訴猶予、つまり不起訴となりました。それでも同居の事実がなく、供述に矛盾があり、扶助の実態も認められないとして、婚姻が真摯なものとは認められませんでした。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

平成17年は第一次ガイドライン策定(平成18年10月)より前で、判断基準は公表されず、法務大臣の広範な裁量による個別判断でした。当てはめは現行ガイドライン(令和6年3月改定)によります。

  • 積極要素・第2の9:自ら出頭して不法滞在を申告したこと。
  • 積極要素・第2の2(1)(ウ):日本人との法的婚姻。ただし相当期間の共同生活と相互扶助が求められ、これを欠くと評価されました。
  • 消極要素・第2の5:13年に及ぶ不法在留期間。
  • 消極要素・第2の6:不法残留による退去強制事由該当。有罪判決はありません。

結論を分けた一線はどこか

同じ平成17年の許可第15事例は、貨物船で不法入国した男性が2004年に日本人の妻と連れ子と同居して出頭申告し、手続中に入管法違反で逮捕されて懲役2年執行猶予4年となった事案です(懲役は原典表記であり、現行法では拘禁刑に相当します)。それでも同居の実態が確認され、婚姻の真摯性が認められて日本人の配偶者等(1年)を得ました。刑事処分は許可事例の方が重く、分けたのは同居の実質だったと読めます。

弁護士のコメント

第1に、不起訴の位置づけです。本人は起訴猶予を得ていますが、それでも許可されませんでした。不起訴の獲得は素行面の消極要素を生じさせない意味で重要ですが、それだけで積極要素が生まれるわけではありません。

第2に、違反審査からの立証です。同居と扶助は、住居の記録、家計の資料、周囲の陳述によって積み上げるほかありません。供述の矛盾は通訳を介した聴取で生じることもあり、本人のために動く通訳の確保に意味があります。

また、当時と現在では運用が違います。不法在留期間の長期化が明示的に消極要素とされたのは令和6年3月改定です。令和5年改正入管法(令和6年6月10日施行)で申請手続が新設され(入管法50条1項)、考慮事情も法定されました(同条5項)。当時は職権発動による恩恵的措置でした。本邦で家族とともに生活をするという子の利益の保護の必要性が積極要素として明示されたのも令和6年改定で、当時評価されなかった子に関する事情には、今なら別の評価が及ぶ余地があります。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

公表は各年25件前後の抜粋です。平成17年から不許可の側も示され、線の位置が読めるようになりましたが、それは傾向にとどまります。当事務所は、公表事例に不許可が並ぶ不法就労助長の類型で在留特別許可を得ています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野とし、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当します。

観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの在留資格を失った事案では、当局との交渉により婚姻と認知を成立させ、入管当局の過去の許可事例を分析することで1回の申請で在留特別許可を獲得しました。

特殊詐欺の出し子とされた20代女性の事案では、指示役からの欺罔や脅迫的な状況、犯意の不存在を総合的に主張し、不起訴処分を獲得しました。本人が置かれていた状況を丁寧に描き出す作業が結果につながります。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制となるため、当事務所は起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標とします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当します。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐します。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携行政書士とワンストップで対応できます。

結語

不起訴の獲得と積極要素の立証は、別々に組み立てる必要があります。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639


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