舟渡国際法律事務所

平成17年・日系二世として在留した男性が強盗致傷で懲役6年の実刑となり不許可|家族が本国に帰国した事例(平成17年不許可第15事例)

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平成17年・日系二世として在留した男性が強盗致傷で懲役6年の実刑となり不許可|家族が本国に帰国した事例(平成17年不許可第15事例)

平成17年・日系二世として在留した男性が強盗致傷で懲役6年の実刑となり不許可|家族が本国に帰国した事例(平成17年不許可第15事例)

2026/08/07

事例の概要

身分関係に基づく在留資格があっても、重大な暴力事案と家族の離散が重なれば評価を支える柱を失います。平成17年の不許可25件の第15事例です(法務省入国管理局が平成20年12月公表)。本人は南米出身の34歳男性。1991年に「短期滞在90日」で入国した後、日系二世として「日本人の配偶者等」で在留していました。2000年に強盗致傷と建造物侵入で逮捕され、懲役6年の実刑判決を受けています(懲役は原典表記であり、現行法では拘禁刑に相当します)。更新が認められず不法残留となりました。「定住者」の内妻との子2人は本国に帰国し、内妻とも3年以上連絡が取れないとされています。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

平成17年は第一次ガイドライン策定(平成18年10月)より前で、基準は公表されず、法務大臣の広範な裁量による個別判断でした。当てはめは現行ガイドライン(令和6年3月改定)によります。

  • 積極要素・第2の2(1)(ア):日本人の実子に当たる身分関係。
  • 消極要素・第2の6:強盗致傷は反社会性の程度が高く評価され、6年の実刑は入管法24条4号リに当たります。
  • 消極要素・第2の5:更新不許可により生じた不法残留。
  • 子との家族関係は、本国への帰国と連絡の途絶により実質を失っています。

結論を分けた一線はどこか

同じ平成17年の許可第25事例は、他人名義の旅券で日系三世を装って入国した男性が、偽装が判明して更新を受けられなくなり、入管法違反と道路交通法違反で懲役2年6月執行猶予4年となった事案です。それでも「定住者」の同国人女性と長く同居し子もいたため、定住者(1年)を得ました。入国の経緯は本事例より重いものでした。分けたのは実刑か執行猶予か、家族が現に共に暮らしていたかであったと読めます。

弁護士のコメント

第1に、刑事段階です。強盗致傷は法定刑が重く、量刑が1年を超える実刑になれば入管法24条4号リに当たります。起訴前の段階で被害の程度や関与の態様を精査し、不起訴処分を獲得できていれば、この号による退去強制事由を生じさせずに済んだ余地があります。断定はできませんが、身分関係という積極要素を残す道はここにありました。

また、当時と現在では運用が違います。不法在留期間の長期化が明示的に消極要素とされたのは令和6年3月改定です。令和5年改正入管法(令和6年6月10日施行)で申請手続が新設され(入管法50条1項)、考慮事情も法定されました(同条5項)。当時は職権発動による恩恵的措置でした。本邦で家族とともに生活をするという子の利益の保護の必要性が積極要素として明示されたのも令和6年改定で、当時評価されなかった子に関する事情には、今なら別の評価が及ぶ余地があります。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

公表は各年25件前後の抜粋にとどまります。平成17年から不許可事例が示され、判断の輪郭が読めますが、それは上限ではありません。当事務所は、公表事例に不許可が並ぶ不法就労助長の類型で在留特別許可を得ており、なお違反認定処分の取消しを争っています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野とし、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当します。

国際的な刑事事件、裁判員裁判の対象事件、世界的に報道された事件への対応実績があります。中国籍の方の重大事件にも多数対応しています。

観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの在留資格を失った事案では、当局との交渉により婚姻と認知を成立させ、入管当局の過去の許可事例を分析することで1回の申請で在留特別許可を獲得しました。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制となるため、当事務所は起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標とします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当します。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐します。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携行政書士とワンストップで対応できます。

結語

身分関係を活かすには、刑事処分の重さを抑えることが先に来ます。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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