舟渡国際法律事務所

平成17年・就労資格で在留した男性が盗品等保管罪で有罪となり更新もせず不許可(平成17年不許可第13事例)

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平成17年・就労資格で在留した男性が盗品等保管罪で有罪となり更新もせず不許可(平成17年不許可第13事例)

平成17年・就労資格で在留した男性が盗品等保管罪で有罪となり更新もせず不許可(平成17年不許可第13事例)

2026/08/07

事例の概要

就労の在留資格を持っていても、有罪判決と更新の放置が重なると足場を失います。法務省入国管理局が平成20年12月に公表した資料のうち、平成17年の不許可25件の第13事例です。本人は東アジア出身の33歳男性。1999年に「人文知識・国際業務1年」で入国し、更新も受けていました。2003年に盗品等保管罪で懲役10月執行猶予3年の判決を受けています(懲役は事例集公表当時の原典表記であり、現行法では拘禁刑に相当します)。その後は更新の申請をせず、2004年から不法残留となりました。家族関係についての記載はありません。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

平成17年は第一次ガイドライン策定(平成18年10月)より前で、基準は公表されず、法務大臣の広範な裁量による個別判断でした。当てはめは現行ガイドライン(令和6年3月改定)によります。

  • 積極要素・第2の9後段:別表第一の在留資格該当性。現に就労資格で在留していたことは本来この方向に働きます。
  • 消極要素・第2の6:財産犯による有罪と、その後の不法残留。刑は全部執行猶予であり、入管法24条4号リには当たりません。
  • 消極要素・第2の5:不法在留の継続。
  • 第2の2の家族関係に当たる記載はありません。

結論を分けた一線はどこか

同じ平成17年の許可第11事例は、本邦で出生して永住許可を得ていた男性が、詐欺により複数回の実刑を受けながら、本邦で生育し兄弟や子が在留していること、本国に頼る親族がいないこと、脳梗塞等の既往があることから、定住者(1年)を得た事案です。刑事処分は本事例より重いものでした。分けたのは本邦での生活基盤と身寄りの事情の厚みであったと読めます。

弁護士のコメント

第1に、刑事段階です。盗品等に関する罪では、その物の由来をどう認識していたかが争点となり得ます。起訴前に認識を争い不起訴処分を獲得できていれば、有罪を前提とする消極要素を生じさせずに済んだ余地があり、就労資格を維持する道も残った可能性があります。

第2に、更新の放置です。有罪の後こそ期限内に申請して判断を仰ぐ意味があります。申請せずに期限を越えると、それ自体が新たな退去強制事由となり、積極要素を主張する足場を失います。

また、当時と現在では運用が違います。不法在留期間の長期化が明示的に消極要素とされたのは令和6年3月改定です。令和5年改正入管法(令和6年6月10日施行)で申請手続が新設され(入管法50条1項)、考慮事情も法定されました(同条5項)。当時は職権発動による恩恵的措置でした。本邦で家族とともに生活をするという子の利益の保護の必要性が積極要素として明示されたのも令和6年改定で、当時評価されなかった子に関する事情には、今なら別の評価が及ぶ余地があります。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集に載るのは各年25件前後の抜粋です。平成17年に不許可事例の公表が始まり判断の輪郭は見えやすくなりましたが、傾向を示すにすぎません。当事務所は、公表事例に不許可が並ぶ不法就労助長の類型で在留特別許可を得ています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野とし、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当します。

特殊詐欺の受け子として複数回にわたり再逮捕された事案では、取調べへの対応を徹底し、不当な取調べには抗議を重ねることで、全件について不起訴処分を獲得しました。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制となるため、当事務所は起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標とします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当します。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐します。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携行政書士とワンストップで対応できます。

結語

有罪の後の在留手続は、期限を守ることが最初の一歩です。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

舟渡国際法律事務所

ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
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