舟渡国際法律事務所

平成17年・退去強制の後に他人名義旅券で再入国し婚姻したが同居の事実なく不許可(平成17年不許可第5事例)

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平成17年・退去強制の後に他人名義旅券で再入国し婚姻したが同居の事実なく不許可(平成17年不許可第5事例)

平成17年・退去強制の後に他人名義旅券で再入国し婚姻したが同居の事実なく不許可(平成17年不許可第5事例)

2026/08/07

事例の概要

退去強制の後の再入国は、その方法と婚姻の実質の両面から厳しく見られます。法務省入国管理局が平成20年12月に公表した資料のうち、平成17年の不許可25件の第5事例です。本人は西南アジア出身の30歳男性。1995年に「短期滞在90日」で入国して不法残留となり、2003年に出頭して退去強制を受けました。同じ年に他人名義の旅券で再び不法入国し、2004年に日本人女性と婚姻して出頭申告しています。しかし同居の事実がなく供述に矛盾があり、当該女性は別の日本人男性と同居していたとされました。刑事処分の記載はありません。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

平成17年は第一次ガイドライン策定(平成18年10月)より前で、基準は公表されておらず、法務大臣の広範な裁量による個別判断でした。当てはめは現行ガイドライン(令和6年3月改定)によります。

  • 積極要素・第2の9:自ら出頭して申告したこと。ただし2度目です。
  • 積極要素・第2の2(1)(ウ):日本人との法的婚姻。共同生活の実質が認められませんでした。
  • 消極要素・第2の6:被退去強制歴と、他人名義旅券による不法入国。公的書類の不正な使用は第2の3(ウ)に連なる評価を受け得ます。
  • 消極要素・第2の5:不法在留期間の積み重なり。

結論を分けた一線はどこか

同じ平成17年の許可第8事例は、他人名義旅券での不法入国で1990年に退去強制を受けた女性が、2001年に自己名義の旅券で入国し、2003年に日本人夫と婚姻して出頭申告した事案です。過去の退去強制歴がありながら、同居の実態が確認され婚姻の真摯性が認められて許可されました。退去強制歴そのものではなく、再入国の方法と婚姻の実質が結論を分けたと読めます。

弁護士のコメント

第1に、供述の記録です。同居の有無を巡って供述の矛盾が指摘されました。違反調査と違反審査の各段階で、通訳を介した聴取の内容が後の判断を左右します。本人のために動く立場の通訳を確保しておく意味は大きいものです。

第2に、違反審査からの立証です。住民票や賃貸契約、家計の資料など、共同生活を裏付ける資料は最初の段階で提出しておくほかありません。

また、当時と現在では運用が違います。不法在留期間の長期化が明示的に消極要素とされたのは令和6年3月改定です。令和5年改正入管法(令和6年6月10日施行)で申請手続が新設され(入管法50条1項)、考慮事情も法定されました(同条5項)。当時は職権発動による恩恵的措置でした。本邦で家族とともに生活をするという子の利益の保護の必要性が積極要素として明示されたのも令和6年改定で、当時評価されなかった子に関する事情には、今なら別の評価が及ぶ余地があります。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

平成17年は不許可事例が初めて公表された年で、許可25件と不許可25件が並びます。判断の輪郭は見えるようになりましたが、これは判断の一部です。似た許可例がないことは、許可の可能性がないことを意味しません。当事務所は、公表事例に不許可が並ぶ不法就労助長の類型で在留特別許可を得ています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野とし、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当します。

観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの在留資格を失った事案では、当局との交渉により婚姻と認知を成立させ、入管当局の過去の許可事例を分析することで1回の申請で在留特別許可を獲得しました。

国際的な刑事事件、裁判員裁判の対象事件、世界的に報道された事件への対応実績があります。中国籍の方の重大事件にも多数対応しています。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制となるため、当事務所は起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標とします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当します。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐します。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携行政書士とワンストップで対応できます。

結語

再入国の経緯と婚姻の実質は、最初の聴取から丁寧に記録することが要点です。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639


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