舟渡国際法律事務所

平成17年・13歳で来日し定住者となった男性が強盗致傷の実刑で不許可|在監中に不法残留となった事例(平成17年不許可第2事例)

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平成17年・13歳で来日し定住者となった男性が強盗致傷の実刑で不許可|在監中に不法残留となった事例(平成17年不許可第2事例)

平成17年・13歳で来日し定住者となった男性が強盗致傷の実刑で不許可|在監中に不法残留となった事例(平成17年不許可第2事例)

2026/08/07

事例の概要

幼いころに来日して日本で育った方でも、重い刑事処分が加わると結論は変わります。法務省入国管理局が平成20年12月に公表した資料のうち、平成17年の不許可25件の第2事例です。本人は東アジア出身の23歳男性。1994年、13歳のときに「短期滞在90日」で入国し、日本人と婚姻した母の連れ子として「定住者」への変更を受けました。高校時代に万引きが2回あり、2002年に強盗致傷で逮捕され、2003年に懲役2年8月の実刑判決を受けています(懲役は事例集公表当時の原典表記であり、現行法では拘禁刑に相当します)。服役中に在留期限が経過し、不法残留となりました。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

平成17年は第一次ガイドライン策定(平成18年10月)の前で、基準は公表されず、法務大臣の広範な裁量による個別判断でした。以下は現行ガイドライン(令和6年3月改定)への当てはめです。

  • 積極要素・第2の2(2):日本人と婚姻した母との家族関係。本人は別表第二の「定住者」で在留していました。
  • 積極要素・その他:13歳からの本邦での成育と就学。
  • 消極要素・第2の6:強盗致傷は反社会性が高く評価されます。2年8月の実刑は入管法24条4号リに当たります。
  • 現行法であれば、入管法50条1項ただし書により、在留を許可しないことが人道上の配慮に欠けると認められる特別の事情がある場合に限られる立場です。

結論を分けた一線はどこか

同じ平成17年の許可第12事例は、1993年に父とともに来日して不法残留となった男性が、小中高を卒業して大学に在学し、永住者である祖母のもとで生活していた事案で、定住者(1年)が認められています。分かれ目は刑事処分の内容だったと読めます。実刑を伴う重大な暴力事案という消極要素が、成育の経緯を上回ったと考えられます。

弁護士のコメント

第1に、刑事段階です。量刑が1年を超える実刑となれば入管法24条4号リに当たります。起訴前に関与の程度を精査して不起訴処分を獲得できていれば、退去強制事由該当性そのものを生じさせずに済んだ余地があります。断定はできませんが、共犯事案では役割の評価が量刑を左右します。

また、当時と現在では運用が違います。不法在留期間の長期化が明示的に消極要素とされたのは令和6年3月改定です。令和5年改正入管法(令和6年6月10日施行)で申請手続が新設され(入管法50条1項)、考慮事情も法定されました(同条5項)。当時は職権発動による恩恵的措置でした。本邦で家族とともに生活をするという子の利益の保護の必要性が積極要素として明示されたのも令和6年改定で、当時評価されなかった子に関する事情には、今なら別の評価が及ぶ余地があります。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

公表される事例は各年25件前後にすぎず、判断の全体像ではありません。平成17年は不許可事例が初めて公表された年で、判断の輪郭が外から見えるようになりました。他方、載っていない許可も多数あります。当事務所は、公表事例に不許可が並ぶ不法就労助長の類型で在留特別許可を得ています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野とし、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当します。

国際的な刑事事件、裁判員裁判の対象事件、世界的に報道された事件への対応実績があります。中国籍の方の重大事件にも多数対応しています。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制となるため、当事務所は起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標とします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当します。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐します。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携行政書士とワンストップで対応できます。

結語

重大事件では、起訴前の段階から関与の程度を争えるかが分岐点です。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
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