舟渡国際法律事務所

平成17年・日系三世を装って入国した経緯があり執行猶予付有罪でも在留特別許可|定住者の同国人女性との同居と子の存在が評価され定住者1年(許可第25事例)

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平成17年・日系三世を装って入国した経緯があり執行猶予付有罪でも在留特別許可|定住者の同国人女性との同居と子の存在が評価され定住者1年(許可第25事例)

平成17年・日系三世を装って入国した経緯があり執行猶予付有罪でも在留特別許可|定住者の同国人女性との同居と子の存在が評価され定住者1年(許可第25事例)

2026/08/07

事例の概要

在留の出発点そのものに偽りがあった事例です。平成17年に在留特別許可をした25件のうち第25事例で、南米出身の48歳男性。1990年に他人名義の旅券で日系三世を装って入国し、「定住者」で在留。2001年に偽装が判明して更新が不許可です。他方で1995年頃から「定住者」の同国人女性と同居し、2001年に子が生まれています。2005年に入管法違反と道路交通法違反(速度違反)で逮捕され、懲役2年6月執行猶予4年です(懲役は事例集公表当時の原典表記であり、現行法では拘禁刑に相当します)。結果は「定住者(1年)」です。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

当時は第一次ガイドライン(平成18年10月策定)より前で、基準は公表されておらず、判断は法務大臣の広範な裁量の下にありました。以下は現行ガイドライン(令和6年3月改定)に当てはめた整理です。

  • 積極要素・第2の2(2):別表第二の「定住者」の女性との同居と、その間の子の存在。
  • 積極要素:家族とともに生活する子の利益(令和6年改定で明示)。
  • 消極要素・第2の6:日系人であるとの偽装による入国と在留。管理の根幹に関わる事情です。
  • 消極要素・第2の6:入管法違反等による有罪。入管法24条4号リは全部執行猶予を除外しますから、この号には当たりません。
  • 消極要素・第2の5:偽装が判明した後の不法在留期間。長期化が明示的に消極要素とされたのは令和6年改定です。

結論を分けた一線はどこか

平成17年から不許可事例も公表されています。同年の不許可第11事例は、2005年に「技能(コック)1年」で入国した男性ですが、同年に不正電磁的記録カードの所持で懲役1年執行猶予3年となって不許可です。本邦での家族関係の記載はありません。本事例では偽装入国という重い消極要素がありながら、10年前後の同居と子の存在が積み上がっていました。家族関係の有無が分かれ目だと読めます。

弁護士のコメント

第1に、不起訴を目標に据えることです。本事例は2つの罪で有罪となっていますが、全部執行猶予のため4号リには当たりません。もっとも有罪の事実自体は消極要素として残ります。刑事段階で不起訴を得られていれば、この消極要素を生じさせずに済んだ可能性があります。

第2に、偽装により在留した事案の組み立てです。偽装の事実は動きませんから、その後に築いた家族関係と生活の実態を正面から立証する必要があります。同居の期間、子の出生と養育、相手方の在留資格の資料が中心です。

当時は職権発動による恩恵的措置でした。令和5年改正入管法(令和6年6月10日施行)で申請手続が新設され(入管法50条1項)、考慮事情も明示されました(同条5項)。当時許可されたからといって現在も同じとは言えません。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

この事例集は各年20件前後の抜粋です。重い消極要素の事案でも許可例は現にあり、自分と同じ組合せが載っていないことは結論を意味しません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野とし、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当します。

特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案では、徹底した取調べ対応と不当な取調べへの抗議により、全件について不起訴処分を獲得しました。

観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの在留資格を失った事案では、当局と交渉して婚姻・認知を成立させ、1回の申請で在留特別許可を獲得しました。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制となるため、当事務所は起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標とします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当します。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐し、依頼者本人のために動く立場で対応します。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携行政書士とワンストップで対応できます。

結語

過去の経緯が重い事案ほど、現在の生活の実態を丁寧に積み上げる作業が要ります。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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