舟渡国際法律事務所

平成17年・夫が服役中でも婚姻の真摯さが認められて在留特別許可|逮捕前までの同居と出所後の同居意思が評価され日本人の配偶者等1年(許可第23事例)

お問い合わせはこちら

平成17年・夫が服役中でも婚姻の真摯さが認められて在留特別許可|逮捕前までの同居と出所後の同居意思が評価され日本人の配偶者等1年(許可第23事例)

平成17年・夫が服役中でも婚姻の真摯さが認められて在留特別許可|逮捕前までの同居と出所後の同居意思が評価され日本人の配偶者等1年(許可第23事例)

2026/08/07

事例の概要

配偶者が服役している状況での判断が示された事例です。平成17年に在留特別許可をした25件のうち第23事例で、東南アジア出身の38歳女性。1997年に「興行3月」で入国し、その後不法残留となりました。2002年に日本人男性と婚姻して出頭申告をしています。判断の時点で夫は服役中でしたが、夫の逮捕前までは同居しており、出所後も同居する意思があるとされ、婚姻は真摯なものと認められました。結果は「日本人の配偶者等(1年)」です。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

当時は第一次ガイドライン(平成18年10月策定)より前で、基準は公表されておらず、判断は法務大臣の広範な裁量の下にありました。以下は現行ガイドライン(令和6年3月改定)に当てはめた整理です。

  • 積極要素・第2の2(1)(ウ):日本人との法的な婚姻。同居は夫の逮捕まで続いており、その後も継続の意思が認められています。
  • 積極要素・第2の9:自ら出頭申告をしたこと。
  • 消極要素・第2の5:8年前後の不法在留期間。長期化が明示的に消極要素とされたのは令和6年改定です。
  • 消極要素・第2の6:不法残留。本人についての刑事処分の記載はありません。
  • 現に同居していない点は、婚姻の安定性の評価では不利に働く事情です。

結論を分けた一線はどこか

平成17年から不許可事例も公表されています。同年の不許可第7事例は、他人名義の旅券で不法入国した後、日本人男性と婚姻したものの別居となり、その婚姻を解消しないまま別の日本人男性と婚姻届を出した女性で、婚姻の破綻が認定されて不許可でした。現夫も離婚を希望していたとされます。同居していないという外形が同じでも、その理由と、関係を続ける意思があるかどうかで結論が分かれたと読めます。

弁護士のコメント

第1に、別居の理由の説明です。配偶者の服役という理由は、本人の意思で選んだ別居とは性質が違います。逮捕前の同居の実態、その後の連絡の継続、出所後の生活の見通しを、具体的な資料と陳述で示すことが要点になります。

第2に、出頭申告後の手続の進め方です。出頭で始まった事案では、違反調査・違反審査・口頭審理と進む各段階で、婚姻の実態を裏付ける資料を順次補充できます。注4により令書発付後の事情変更は原則として考慮されませんから、発付前に出し切る姿勢が必要です。

当時の在留特別許可は申請できるものではなく、職権発動による恩恵的措置でした。令和5年改正入管法(令和6年6月10日施行)で申請手続が新設され(入管法50条1項)、考慮事情も明示されています(同条5項)。当時許可されたからといって現在も同じとは言えません。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

この25件は各年の抜粋で、許可の全体を示していません。配偶者が服役しているという事情は不利に見えますが、本事例のように評価される場合もあります。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野とし、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当します。

観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの在留資格を失った事案では、婚姻・認知が未了で一旦不受理とされたところ、憲法的観点から交渉して婚姻・認知を成立させ、1回の申請で在留特別許可を獲得しました。

特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案では、徹底した取調べ対応と不当な取調べへの抗議により、全件について不起訴処分を獲得しました。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制となるため、当事務所は起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標とします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当します。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐し、依頼者本人のために動く立場で対応します。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携行政書士とワンストップで対応できます。

結語

配偶者が身柄を拘束されている事案では、関係が続いていることを丁寧に示す必要があります。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

舟渡国際法律事務所

ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

----------------------------------------------------------------------
舟渡国際法律事務所
住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639


東京にて中国人の方をサポート

東京を中心に刑事事件の弁護

----------------------------------------------------------------------

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。