舟渡国際法律事務所

平成17年・偽造旅券での不法入国から20年前後、インドシナ定住難民の夫との婚姻で在留特別許可|逮捕も起訴猶予で定住者1年(許可第22事例)

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平成17年・偽造旅券での不法入国から20年前後、インドシナ定住難民の夫との婚姻で在留特別許可|逮捕も起訴猶予で定住者1年(許可第22事例)

平成17年・偽造旅券での不法入国から20年前後、インドシナ定住難民の夫との婚姻で在留特別許可|逮捕も起訴猶予で定住者1年(許可第22事例)

2026/08/07

事例の概要

きわめて長い不法在留の後に許可された事例です。平成17年に在留特別許可をした25件のうち第22事例で、東南アジア出身の49歳女性。1985年に偽造旅券で不法入国しました。その後、インドシナ定住難民として「定住者」で在留する別の国籍の男性と2000年頃から同居し、2001年に婚姻しています。2005年に入管法違反で逮捕されましたが起訴猶予です。結果は「定住者(1年)」です。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

平成17年は第一次ガイドライン(平成18年10月策定)の前で、判断基準は公表されず、法務大臣の広範な裁量に委ねられていました。以下は現行ガイドライン(令和6年3月改定)による整理です。

  • 積極要素・第2の2(2):別表第二の「定住者」で在留する配偶者との家族関係。同居を経て婚姻に至っています。
  • 積極要素・その他:配偶者がインドシナ定住難民であること。第2の4は本人の入国経緯に関する要素です。
  • 消極要素・第2の5:20年前後という非常に長い不法在留期間。この点は令和6年改定で明示的に消極要素とされ、本事例が最も影響を受ける部分です。
  • 消極要素・第2の6:偽造旅券による不法入国。刑事処分は起訴猶予です。
  • 出頭申告(第2の9)には当たりません。端緒は逮捕です。

結論を分けた一線はどこか

平成17年は不許可事例の公表が始まった最初の年です。同年の不許可第17事例は、日本人の夫と婚姻し日本国籍の子もいた女性ですが、麻薬及び向精神薬取締法違反等で懲役4年の実刑となり、在監中に不法残留となって不許可でした(懲役は事例集公表当時の原典表記であり、現行法では拘禁刑に相当します)。配偶者の在留資格が安定していても、それだけでは足りません。退去強制理由となった事実の重さが分かれ目だと読めます。

弁護士のコメント

第1に、起訴猶予の意義です。不法入国という重い違反がありながら刑事処分は起訴猶予にとどまっており、有罪判決はありません。入管法24条4号リは全部執行猶予を除外しますが、そもそも有罪でなければこの号は問題になりません。起訴前段階での活動が消極要素の数を左右します。

第2に、長期の不法在留期間の評価です。20年前後という期間は、現行ガイドラインでは正面から消極要素とされます。他方で、その期間に築いた地域社会との関係は別途積極要素として考慮される留保がありますから、居住、就労、納税、近隣との関わりを具体的に示す資料を揃える意味があります。

当時は職権発動による恩恵的措置でした。令和5年改正入管法(令和6年6月10日施行)で申請手続が新設され(入管法50条1項)、考慮事情も明示されました(同条5項)。当時許可されたからといって現在も同じとは言えません。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集は各年20件前後の抜粋です。20年に及ぶ不法在留の許可例はここにありますが、逆に自分と同じ年数の例が見当たらないとしても結論は決まりません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野とし、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当します。

観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの在留資格を失った事案では、婚姻・認知が未了で一旦不受理とされたところ、憲法的観点から交渉して婚姻・認知を成立させ、1回の申請で在留特別許可を獲得しました。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者について、証拠の徹底した分析と被告人質問・反対尋問により無罪判決を獲得しました。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制となるため、当事務所は起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標とします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当します。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐し、依頼者本人のために動く立場で対応します。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携行政書士とワンストップで対応できます。

結語

在留の期間が長い事案では、その年月をどう説明するかが立論の中心になります。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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