舟渡国際法律事務所

平成17年・貨物船で不法入国し手続中に入管法違反で執行猶予付有罪も在留特別許可|日本人妻と連れ子との同居が評価され日本人の配偶者等1年(許可第15事例)

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平成17年・貨物船で不法入国し手続中に入管法違反で執行猶予付有罪も在留特別許可|日本人妻と連れ子との同居が評価され日本人の配偶者等1年(許可第15事例)

平成17年・貨物船で不法入国し手続中に入管法違反で執行猶予付有罪も在留特別許可|日本人妻と連れ子との同居が評価され日本人の配偶者等1年(許可第15事例)

2026/08/07

事例の概要

出頭申告の後に刑事裁判を受けた方の例です。平成17年に在留特別許可をした25件のうち第15事例で、西南アジア出身の26歳男性。1997年に貨物船で不法入国し、2004年から日本人の妻とその連れ子と同居しています。自ら出頭申告をしましたが、手続中に入管法違反で逮捕され、懲役2年執行猶予4年です(懲役は事例集公表当時の原典表記であり、現行法では拘禁刑に相当します)。同居の実態が確認され、婚姻は真摯と認められています。結果は「日本人の配偶者等(1年)」です。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

平成17年は第一次ガイドライン(平成18年10月策定)の前で、判断基準は公表されず、法務大臣の広範な裁量に委ねられていました。以下は現行ガイドライン(令和6年3月改定)による整理です。

  • 積極要素・第2の2(1)(ウ):日本人との法的な婚姻。同居の実態が確認されています。
  • 積極要素・その他:妻の連れ子と同居して生活していること。
  • 積極要素・第2の9:自ら出頭申告をしたこと。
  • 消極要素・第2の6:不法入国と、入管法違反による有罪。入管法24条4号リは無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者を退去強制事由としますが、全部執行猶予は除外されます。
  • 消極要素・第2の5:7年前後の不法在留期間。長期化が明示的に消極要素とされたのは令和6年改定です。

結論を分けた一線はどこか

平成17年から不許可事例も公表されています。同年の不許可第9事例は、退去強制の後に偽造旅券で不法入国し、覚せい剤の事案も発覚して両罪で懲役3年執行猶予5年となった男性ですが、妻子との交渉が途絶えて離婚しており不許可でした。どちらも執行猶予付きの有罪ですが、罪名の性質と家族関係が残っているかで結論が分かれたと読めます。

弁護士のコメント

第1に、執行猶予の意味を誤解しないことです。4号リは全部執行猶予を除外しますが、薬物関係法令の違反による有罪は執行猶予でも4号チに当たります。罪名によって扱いが違いますから、刑事段階では執行猶予ではなく不起訴処分を目標に据えることが要点です。本事例でも不起訴を得られていれば消極要素を一つ減らせた余地があったと考えられます。

第2に、出頭申告の後の刑事事件への備えです。手続が進む中で刑事処分が加わる展開は珍しくありません。婚姻と同居の資料を先に提出し、刑事処分の見通しも入管の手続で説明できるようにしておくことが有益です。

当時は職権発動による恩恵的措置でした。令和5年改正入管法(令和6年6月10日施行)で申請手続が新設され(入管法50条1項)、考慮事情も明示されました(同条5項)。当時許可されたからといって現在も同じ結論になるとは言えません。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

この25件は抜粋であり、実際の許可はこれより多くあります。有罪判決を受けた方の許可例が限られて見えても、そこで結論が決まるわけではありません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野とし、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当します。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者について、証拠の徹底した分析と被告人質問・反対尋問により無罪判決を獲得しました。裁判員裁判の対象事件や広く報道された重大事件にも多数対応しています。

観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの在留資格を失った事案では、当局と交渉して婚姻・認知を成立させ、1回の申請で在留特別許可を獲得しました。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制となるため、当事務所は起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標とします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当します。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐し、依頼者本人のために動く立場で対応します。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携行政書士とワンストップで対応できます。

結語

刑事と入管の二つの手続が同時に動く場面では、順序を意識した組み立てが要ります。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
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