舟渡国際法律事務所

平成17年・再婚した日本人の夫が退去強制手続中に病死しても在留特別許可|婚姻の真摯さと亡夫の親族との交流が評価され定住者1年(許可第14事例)

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平成17年・再婚した日本人の夫が退去強制手続中に病死しても在留特別許可|婚姻の真摯さと亡夫の親族との交流が評価され定住者1年(許可第14事例)

平成17年・再婚した日本人の夫が退去強制手続中に病死しても在留特別許可|婚姻の真摯さと亡夫の親族との交流が評価され定住者1年(許可第14事例)

2026/08/07

事例の概要

手続の途中で配偶者が亡くなった場合の判断が示された事例です。平成17年に在留特別許可をした25件のうち第14事例で、東アジア出身の44歳女性。1987年に「4-1-4」(平成元年改正前の在留資格の表記です)で入国し、日本人の前夫との婚姻により「日本人の配偶者等」となりましたが、前夫が失踪して不法残留となりました。2000年に離婚が成立し、別の日本人男性と2003年に婚姻して出頭申告をしています。退去強制手続中の2004年に夫が病死しましたが、婚姻は真摯なものと認められ、亡夫の親族との交流も続いていました。結果は「定住者(1年)」です。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

当時は第一次ガイドライン(平成18年10月策定)より前で、基準は公表されておらず、判断は法務大臣の広範な裁量の下にありました。以下は現行ガイドライン(令和6年3月改定)に当てはめた整理です。

  • 積極要素・第2の2(1)(ウ)に準じる事情:日本人との婚姻が真摯であったこと。婚姻は夫の死亡により終了しています。
  • 積極要素・その他:亡夫の親族との交流、長期にわたる本邦での生活。
  • 積極要素・第2の9:自ら出頭申告をしたこと。
  • 消極要素・第2の5:13年前後の不法在留期間。長期化が明示的に消極要素とされたのは令和6年改定です。
  • 消極要素・第2の6:不法残留。刑事処分の記載はありません。

結論を分けた一線はどこか

平成17年は不許可事例の公表が始まった最初の年です。同年の不許可第12事例は、2002年から日本人男性と同居していた女性ですが、本国に同じ国籍の夫がいて離婚の見通しが立たず、婚姻の成立も見込めないとして不許可でした。本事例では前婚の離婚が成立し、再婚が有効に成立していました。婚姻関係が法的に確かなものであったかどうかが、分かれ目だと読めます。

弁護士のコメント

第1に、手続中の事情変更の扱いです。配偶者の死亡は、通常であれば積極要素を失わせる出来事ですが、本事例では婚姻の真摯さと親族との関係が評価されました。注4は令書発付後の事情変更を原則として考慮しないとしますから、発付前の段階でどこまで資料を出せているかが結果を左右します。

第2に、前婚の整理です。前夫の失踪により在留資格を失った経緯では、離婚が成立した時期と、その間の生活状況が問われます。戸籍や裁判の記録、住居と家計の資料を、時系列で整理して示すことが要点になります。

在留特別許可は当時、職権発動による恩恵的措置でした。現在は令和5年改正入管法(令和6年6月10日施行)で申請手続があり(入管法50条1項)、考慮事情も法律に明示されています(同条5項)。同じ事情でも現在の結論が同じとは言えません。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

公表事例は各年20件前後の抜粋であって、許可の全体を示すものではありません。配偶者を失った後の許可例が見当たらないとしても、それは結論ではありません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野とし、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当します。

観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの在留資格を失った事案では、婚姻・認知が未了で一旦不受理とされたところ、憲法的観点から交渉して婚姻・認知を成立させ、1回の申請で在留特別許可を獲得しました。

特殊詐欺の出し子とされた20代の女性については、指示役からの欺罔や脅迫的な状況、犯意の不存在を総合的に主張し、不起訴処分を獲得しました。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制となるため、当事務所は起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標とします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当します。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐し、依頼者本人のために動く立場で対応します。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携行政書士とワンストップで対応できます。

結語

婚姻を軸とする事案では、その関係が法的にも実際にも確かであることを示す必要があります。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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電話番号 :050-7587-4639


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