舟渡国際法律事務所

平成17年・幼少期に来日して小中高を卒業し大学に在学、父が所在不明でも在留特別許可|永住者の祖母のもとで生活する男性に定住者1年(許可第12事例)

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平成17年・幼少期に来日して小中高を卒業し大学に在学、父が所在不明でも在留特別許可|永住者の祖母のもとで生活する男性に定住者1年(許可第12事例)

平成17年・幼少期に来日して小中高を卒業し大学に在学、父が所在不明でも在留特別許可|永住者の祖母のもとで生活する男性に定住者1年(許可第12事例)

2026/08/07

事例の概要

親に連れられて来日し、日本で育った方の在留が問われた事例です。平成17年に在留特別許可をした25件のうち第12事例で、東アジア出身の20歳男性。1993年に父とともに「短期滞在90日」で入国し、その後不法残留となりました。本人は日本で小学校・中学校・高校を卒業し、大学に在学しています。父は所在不明となり、「永住者」である同じ国籍の祖母のもとで生活していました。結果は「定住者(1年)」です。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

平成17年は第一次ガイドライン(平成18年10月策定)の前で、判断基準は公表されず、法務大臣の広範な裁量に委ねられていました。以下は現行ガイドライン(令和6年3月改定)による整理です。

  • 積極要素・第2の2(3):本邦の初等中等教育機関で相当期間教育を受け、地域社会に溶け込んでいること。
  • 積極要素・第2の2(2):永住者である祖母との家族関係。現に監護を受ける立場にあります。
  • 積極要素:家族とともに生活する子の利益(令和6年改定で明示)。
  • 消極要素・第2の5:12年前後の不法在留期間。長期化が明示的に消極要素とされたのは令和6年改定です。
  • 消極要素・第2の6:不法残留。刑事処分の記載はありません。

結論を分けた一線はどこか

平成17年は不許可事例の公表が始まった最初の年です。同年の不許可第24事例は、「定住者」で入国して就学し、一度は大学入学が考慮されて在留特別許可を受けた男性ですが、その後また更新申請をせず、改ざんした転学部の合格証明書を提出し、許可を受けずにアルバイトに専従していたことが判明して不許可でした。学校に在籍しているという事実だけでなく、手続における誠実さが評価に含まれると読めます。

弁護士のコメント

第1に、就学の実質を示す資料です。在学証明のみでは足りず、成績、出席の状況、卒業の見通し、学費と生活費の負担者を具体的に示すことが要点になります。本人が幼少期に来日した事案では、本国での教育を受けることが困難な事情も併せて述べる必要があります。

第2に、監護者が変わった場合の整理です。父が所在不明となった事情、祖母の在留資格と生活状況、同居の実態を資料で示すことになります。刑事処分はありませんから、争点は積極要素の立証に集まります。注4により令書発付後の事情変更は原則として考慮されません。

当時は職権発動による恩恵的措置でした。令和5年改正入管法(令和6年6月10日施行)で申請手続が新設され(入管法50条1項)、考慮事情も明示されました(同条5項)。当時許可されたからといって現在も同じ結論になるとは言えません。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

この年に公表されたのは許可25件と不許可25件で、実際の件数のごく一部です。似た事情の許可例がないことを、可能性の否定と読む必要はありません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野とし、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当します。

観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの在留資格を失った事案では、婚姻・認知が未了で一旦不受理とされたところ、憲法的観点から交渉して婚姻・認知を成立させ、入管当局の過去の許可事例を分析することで1回の申請で在留特別許可を獲得しました。

不法就労助長罪に問われ退去強制の危機に至った女性の事案では、退去強制事由に故意・過失を要しないとする従来の実務の当否を問う訴訟を係争中です。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制となるため、当事務所は起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標とします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当します。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐し、依頼者本人のために動く立場で対応します。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携行政書士とワンストップで対応できます。

結語

日本で育った方の事案では、学校と家庭の両面から生活の実態を示す準備が要ります。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
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