舟渡国際法律事務所

平成17年・本邦出生で永住許可を得た男性が詐欺で複数回の実刑となっても在留特別許可|本国に頼る親族がない事情が評価され定住者1年(許可第11事例)

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平成17年・本邦出生で永住許可を得た男性が詐欺で複数回の実刑となっても在留特別許可|本国に頼る親族がない事情が評価され定住者1年(許可第11事例)

平成17年・本邦出生で永住許可を得た男性が詐欺で複数回の実刑となっても在留特別許可|本国に頼る親族がない事情が評価され定住者1年(許可第11事例)

2026/08/07

事例の概要

実刑を繰り返した方が、それでも在留を認められた例です。平成17年に在留特別許可をした25件のうち第11事例で、東アジア出身の64歳男性。1940年に本邦で出生し、1972年に永住許可。同国籍の妻と婚姻して子が3人います。1999年に詐欺罪(無銭飲食)で懲役1年10月の実刑となり、満期出所の後、2002年に「定住者」で在留特別許可を受けました(懲役は事例集公表当時の原典表記であり、現行法では拘禁刑に相当します)。その後も2回、詐欺で実刑です。本邦で生育し、兄弟や子も在留、本国に頼る親族がなく、脳梗塞等の既往があるとされます。結果は「定住者(1年)」です。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

当時は第一次ガイドライン(平成18年10月策定)より前で、基準は公表されておらず、判断は法務大臣の広範な裁量の下にありました。以下は現行ガイドライン(令和6年3月改定)に当てはめた整理です。

  • 積極要素・その他:本邦で出生し生育したこと、家族が在留していること、本国に頼る親族がないこと。
  • 積極要素・第2の7(1)に近い事情:健康状態。
  • 消極要素・第2の6:詐欺による実刑の繰り返し。反社会性の程度に応じて重く見られます。
  • 消極要素:前回の許可の後に再び罪を犯していること。
  • 現行法では、この量刑は50条1項ただし書の枠組みに入り、「在留を許可しないことが人道上の配慮に欠けると認められる特別の事情」がある場合に限り許可されます。

結論を分けた一線はどこか

この年から不許可事例も公表されています。同年の不許可第14事例は、日本人の妻と婚姻していた男性ですが、覚せい剤取締法違反(営利目的所持)で懲役6年罰金100万円の実刑となり、妻は所在不明で不許可です。本事例で天秤を傾けたのは、生活の基盤が本邦にしかなく、家族が現に在留している点だと読めます。罪の反社会性の程度と帰る先の有無が分かれ目です。

弁護士のコメント

第1に、少額の財産犯における不起訴の可能性です。無銭飲食のような事案では、被害の弁償と示談により起訴を避けられる余地があります。1年を超える拘禁刑の実刑となれば入管法24条4号リに当たり、現行法では50条1項ただし書の枠組みに入ります。刑事段階の結果が、その後の枠組みを変えます。

第2に、生活の基盤に関する立証です。出生からの居住歴、家族の在留状況、本国に頼る親族がない事情、健康状態の資料が中心です。前に許可を受けた事案では、その後の生活状況を具体的に示すことが求められると考えられます。

当時は職権発動による恩恵的措置でした。令和5年改正入管法(令和6年6月10日施行)で申請手続が新設され(入管法50条1項)、考慮事情も明示されました(同条5項)。当時許可されたからといって現在も同じ結論になるとは言えません。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集は各年20件前後の抜粋です。実刑を受けた方の許可例が限られて見えても、見通しは尽きません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野とし、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当します。

特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案では、徹底した取調べ対応と不当な取調べへの抗議により、全件について不起訴処分を獲得しました。

国際的な刑事事件、裁判員裁判の対象事件、世界的に報道された事件にも対応してきました。中国籍の方の重大事件の経験も多数あります。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制となるため、当事務所は起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標とします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当します。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐し、依頼者本人のために動く立場で対応します。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携行政書士とワンストップで対応できます。

結語

刑の重さが在留の枠組みを決めてしまうため、量刑ではなく処分そのものを争う視点が要ります。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639


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