舟渡国際法律事務所

平成17年・日本人父の子として本国で生まれた夫と妻が夫婦で出頭申告し在留特別許可|夫は日本人の配偶者等1年、妻は定住者1年(許可第4事例)

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平成17年・日本人父の子として本国で生まれた夫と妻が夫婦で出頭申告し在留特別許可|夫は日本人の配偶者等1年、妻は定住者1年(許可第4事例)

平成17年・日本人父の子として本国で生まれた夫と妻が夫婦で出頭申告し在留特別許可|夫は日本人の配偶者等1年、妻は定住者1年(許可第4事例)

2026/08/07

事例の概要

日本人を父として海外で生まれた方の在留が問われた事例です。平成17年に在留特別許可をした25件のうち第4事例で、東アジア出身の夫婦(夫62歳・妻60歳)が対象です。夫は1991年に「短期滞在15日」で入国して不法残留となり、妻は1996年に貨物船で不法入国しました。夫は本国で日本人父と外国人母の間に生まれた日本人の子で、実兄は日本国籍です。夫婦で出頭申告をしています。結果は夫が「日本人の配偶者等(1年)」、妻が「定住者(1年)」です。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

当時は第一次ガイドライン(平成18年10月策定)より前で、基準は公表されておらず、個別の判断は法務大臣の広範な裁量の下にありました。以下は現行ガイドライン(令和6年3月改定)に当てはめた整理です。

  • 積極要素・第2の2(1)(ア):日本人の実子であること。夫はこれに当たります。
  • 積極要素・第2の2(1):妻は、日本人の実子である夫との婚姻関係により評価されます。
  • 積極要素・第2の9:自ら出頭申告をしたこと。夫婦がそろって申告しています。
  • 消極要素・第2の5:夫は14年前後、妻は9年前後の不法在留期間。長期化が明示的に消極要素とされたのは令和6年改定です。
  • 消極要素・第2の6:夫は不法残留、妻は不法入国。どの号に当たるかは条文で確認する必要があります。

結論を分けた一線はどこか

平成17年は不許可事例の公表が始まった最初の年で、同じ年の事例と対比できます。不許可第4事例は、在留を希望する理由として就労と正規在留の母との同居を挙げましたが、学歴や実務経験が在留資格の基準に適合せず、母とも同居していませんでした。本事例で天秤を傾けたのは、日本人の子という身分が実兄の日本国籍という形で裏付けられていた点だと読めます。主張に裏付けがあるかどうかが分かれ目です。

弁護士のコメント

第1に、身分関係の立証です。海外で出生した日本人の子であることは、本国の出生記録、父に関する記録、兄弟の国籍に関する資料で示すことになります。国籍国の公的書類が整っていない事案ほど、収集の工夫が結果を左右します。

第2に、出頭申告の位置づけです。本事例では刑事処分の記載がなく、逮捕や摘発を経ずに手続が始まっています。第2の9の出頭申告は有力な積極要素ですが、それだけで足りるものではなく、違反審査の段階から積極要素の資料を出しておくことが要点です。注4により令書発付後の事情変更は原則として考慮されません。

当時は職権発動による恩恵的措置でした。令和5年改正入管法(令和6年6月10日施行)で申請手続が新設され(入管法50条1項)、考慮事情も明示されました(同条5項)。当時許可されたからといって現在も同じ結論になるとは言えません。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

法務省が公表したこの25件は、その年の許可のごく一部です。自分と同じ身分関係の例が載っていないとしても、判断の材料が尽きたことを意味しません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野とし、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当します。

観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの在留資格を失った事案では、婚姻・認知が未了で一旦不受理とされたところ、憲法的観点から交渉して婚姻・認知を成立させ、国籍国発行の公的書類がほとんど存在しない状況下でも有利な資料を集め、1回の申請で在留特別許可を獲得しました。

国際的な刑事事件、裁判員裁判の対象事件、世界的に報道された事件にも対応してきました。中国籍の方の重大事件の経験も多数あります。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制となるため、当事務所は起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標とします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当します。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐し、依頼者本人のために動く立場で対応します。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携行政書士とワンストップで対応できます。

結語

血のつながりを前提とする在留では、外国で作られた記録をどこまで集められるかが勝負になります。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639


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