舟渡国際法律事務所

平成18年・定住者が服役し身元引受も得られず不許可|懲役2年の判決を受けた事例(不許可第23事例)

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平成18年・定住者が服役し身元引受も得られず不許可|懲役2年の判決を受けた事例(不許可第23事例)

平成18年・定住者が服役し身元引受も得られず不許可|懲役2年の判決を受けた事例(不許可第23事例)

2026/08/07

事例の概要

正規の在留資格があっても、重い罪の実刑と身元引受人の不在が重なれば在留は維持できません。平成18年に在留特別許可をしなかった25件(法務省入国管理局が平成20年12月公表)の第23事例です。南米出身の24歳男性。2001年に日系三世として「定住者3年」で入国し、工員などとして稼働。2003年に強制わいせつ致傷で懲役2年の判決を受けて服役しています(懲役は原典表記で、現行法では拘禁刑に相当します)。逮捕前は日本人女性と同居していましたが、当該女性は身元引受を拒否しました。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

以下は現行ガイドライン(令和6年3月改定)への当てはめです。平成18年10月に第一次ガイドラインが策定され、この年から判断の考慮要素が公にされました。本事例が策定の前後どちらの判断かは資料から特定できません。

  • 消極要素・第2の6:退去強制の理由となった事実の反社会性。入管法24条4号リ(無期又は1年を超える拘禁刑)に関わる部分です。
  • 積極要素・第2の2は配偶者や実子との関係を中心に据えます。同居していた日本人女性が身元引受を拒否した状況では、家族関係を積極要素として主張する土台がありません。
  • 第2の5の不法在留期間はありません。長期化が明示的に消極要素とされたのは令和6年改定です。

結論を分けた一線はどこか

ガイドライン第3は、積極要素が消極要素を明らかに上回る場合に許可の方向で検討します。同じ平成18年の許可第24事例は、不法残留の家族5名が一家全員で出頭申告した事案で、第三子が難病で3度の手術を受け本邦での治療継続が必要と認められ、全員に「定住者(1年)」が許可されました。積極要素の側に家族と人道の事情が具体的に積み上がっていたかどうかが、結論を分けたと読めます。

弁護士のコメント

第1に、刑事段階の目標です。実刑となれば、それ自体が在留を左右する事実として残ります。仮に不起訴処分を獲得できていれば、退去強制事由該当性そのものを生じさせずに済んだ余地がありました。事実関係に争いのある事案では、捜査の初期から丁寧に主張を組み立てる必要があります。現行法では、無期又は1年を超える拘禁刑の実刑に処せられた者について、在留を許可しないことが人道上の配慮に欠けると認められる特別の事情がある場合に限り許可されます(入管法50条1項ただし書)。

第2に、当時と現在の違いです。令和5年改正入管法(令和6年6月10日施行)で申請手続が新設され(入管法50条1項)、考慮事情も法定されました(同条5項)。当時は職権発動による恩恵的措置です。令和6年改定では「本邦で家族とともに生活をするという子の利益の保護の必要性」も積極要素として明示され、実子を養育している方であれば、当時とは異なる主張ができます。身元を引き受ける人や支援者の存在も、その程度に応じて考慮される事情です。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

公表事例は各年20件台にとどまります。重い罪名の事例が不許可で並ぶことは、あらゆる事案の見通しを決めるものではありません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、その後も違反認定処分の取消しを争っています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野とし、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当します。

当事務所は、裁判員裁判対象事件や国際的に報道された重大事件にも多数対応してきました。中国籍の方の重大事件も多く扱っています。

特殊詐欺の出し子とされた20代女性の事案では、指示役からの欺罔や脅迫的な状況、犯意の不存在などを総合的に主張し、不起訴処分を獲得しました。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制となるため、当事務所は起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標とします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当します。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐します。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携行政書士とワンストップで対応できます。

結語

在留を支える人の存在は、手続の中で重みを持ちます。初動の段階から整えることが要点です。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

舟渡国際法律事務所

ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639


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