舟渡国際法律事務所

平成18年・技能の在留資格で別業務に専従し資格外活動で不許可|報酬条件の相違から退職した事例(不許可第17事例)

お問い合わせはこちら

平成18年・技能の在留資格で別業務に専従し資格外活動で不許可|報酬条件の相違から退職した事例(不許可第17事例)

平成18年・技能の在留資格で別業務に専従し資格外活動で不許可|報酬条件の相違から退職した事例(不許可第17事例)

2026/08/07

事例の概要

契約と実際の条件が違って退職し、別の仕事に就いた場合はどうなるか。平成18年に在留特別許可をしなかった25件(法務省入国管理局が平成20年12月公表)の第17事例です。東アジア出身の34歳男性。2006年に「技能1年」で入国してコックとして稼働しましたが、報酬の条件が相違していたため退職しました。その後およそ半年間、本国の妻子への送金などを目的に、別会社で青果物の仕分け、梱包、運搬の業務に専従しました。資格外活動と判断された事例で、刑事処分の記載はありません。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

以下は現行ガイドライン(令和6年3月改定)への当てはめです。平成18年10月に第一次ガイドラインが策定され、この年から評価要素が公にされました。本事例が策定の前後どちらの判断かは資料から特定できません。

  • 消極要素・第2の6:与えられた在留資格の活動を外れ、別の業務に専従していたこと。該当号は条文で確認が必要です。
  • 積極要素・第2の9は別表第一の一の表又は二の表の在留資格の該当性を挙げますが、現に行う活動が資格に対応していなければ働きにくくなります。
  • 家族関係(第2の2)は本邦にある家族を前提としており、本国の妻子への送金という目的は、これに当たりません。第2の5の不法在留期間はなく、長期化の明示は令和6年改定です。

結論を分けた一線はどこか

ガイドライン第3は、積極要素が消極要素を明らかに上回る場合に許可の方向で検討します。同じ平成18年の許可第3事例は、不法残留の家族3名について、父が脳出血の緊急手術後の後遺症を抱え、本国の医療事情から本邦での治療継続が必要と認められ、出頭申告もあって全員に「定住者(1年)」が許可された事案です。日本で暮らす必要性が人道の観点から具体的に示されたかどうかが、天秤を分けたと読めます。

弁護士のコメント

刑事処分の記載がない事例ですので、手続面を中心に申し上げます。

第1に、退職した時点の対応です。報酬条件の相違という帰責性の低い経緯でも、資格に対応する活動を続けられない状態が生じた時点で、在留資格の変更や就労資格証明書の取得を検討する必要がありました。就労先を変えるときは、資格の枠内かどうかを先に確認するのが安全です。

第2に、違反審査での立証と現在の枠組みです。退去強制手続は違反調査、違反審査、口頭審理、異議申出と進み、在留を必要とする事情はこの過程で示します。令書発付後の事情変更は原則として考慮されません(注4)。なお令和5年改正入管法(令和6年6月10日施行)で申請手続が新設され(入管法50条1項)、考慮事情も法定されました(同条5項)。当時は職権発動による恩恵的措置です。令和6年改定では「本邦で家族とともに生活をするという子の利益の保護の必要性」が積極要素として明示されており、家族を日本に呼び寄せて共に暮らす方であれば、当時とは異なる主張ができます。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

公表事例は各年20件台にとどまります。資格外活動の類型で許可例が見えないことは、許可の余地がないことを示しません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、その後も違反認定処分の取消しを争っています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野とし、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当します。

観光目的で来日した相談者が在留資格を失った事案では、婚姻・認知の成立を当局と交渉して実現し、当局の過去の許可事例を分析することで、1回の申請で在留特別許可を獲得しました。

不法就労助長罪に問われた女性の事案では、退去強制事由に故意・過失は不要とする従来の実務を問い直す訴訟を継続しています。この事件では在留特別許可を獲得したうえで、違反認定処分の取消しを求めています。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制となるため、当事務所は起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標とします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当します。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐します。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携行政書士とワンストップで対応できます。

結語

仕事を変える前の確認が、在留を守る一番の近道になります。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

舟渡国際法律事務所

ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

----------------------------------------------------------------------
舟渡国際法律事務所
住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639


東京にて中国人の方をサポート

東京を中心に刑事事件の弁護

----------------------------------------------------------------------

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。