舟渡国際法律事務所

平成18年・出頭申告の後の調査で別居が判明し不許可|興行から不法残留となり日本人男性と婚姻した事例(不許可第16事例)

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平成18年・出頭申告の後の調査で別居が判明し不許可|興行から不法残留となり日本人男性と婚姻した事例(不許可第16事例)

平成18年・出頭申告の後の調査で別居が判明し不許可|興行から不法残留となり日本人男性と婚姻した事例(不許可第16事例)

2026/08/07

事例の概要

婚姻して自ら出頭したのに、調査で別居が判明した場合はどうなるか。平成18年に在留特別許可をしなかった25件(法務省入国管理局が平成20年12月公表)の第16事例です。東南アジア出身の30歳女性。2004年に「興行3月」で入国し、稼働目的で不法残留となりました。その後日本人男性と同居し、2005年に婚姻して出頭申告しています。しかし調査で別居が判明し、合理的な説明もないことから、婚姻の信憑性に疑義があるとされました。刑事処分の記載はありません。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

以下は現行ガイドライン(令和6年3月改定)への当てはめです。平成18年10月に第一次ガイドラインが策定され、判断の考慮要素がこの年から公表されるようになりました。本事例が策定の前後どちらかは資料から特定できません。

  • 積極要素・第2の9:自ら出頭したこと。これ自体は評価される事情です。
  • 積極要素・第2の2(1)(ウ):日本人との婚姻。ただし別居があり、相当期間の共同生活と相互の扶助という中身を欠きます。
  • 消極要素・第2の5・第2の6:在留期間を超えた在留とその該当号は条文で確認が必要です。長期化が明示的に消極要素とされたのは令和6年改定であり、当時は積極にも消極にもなり得るとされていました。

結論を分けた一線はどこか

ガイドライン第3は、積極要素が消極要素を明らかに上回る場合に許可の方向で検討します。同じ平成18年の許可第23事例は、不法入国した母子が、母の稼働先の日本人男性と2004年から子連れで同居し、摘発後に婚姻届を出した事案です。2年以上の同居歴があり婚姻の信憑性が認められて、母に「日本人の配偶者等(1年)」、子に「定住者(1年)」が許可されました。出頭申告か摘発かという端緒よりも、同居の年月が重かったと読めます。

弁護士のコメント

本事例には刑事処分の記載がありませんので、初動と立証について申し上げます。

第1に、出頭申告の前の準備です。婚姻届を出してすぐ出頭するのではなく、同居の実際を示せる状態を整えることが先になります。住まいの契約関係、家計の一体性、日常のやり取りなど、第三者が確認できる形の資料が要になります。別居せざるを得ない事情があるなら、その理由を裏づける資料も同時に用意します。

第2に、違反審査の段階です。手続は違反調査、違反審査、口頭審理、異議申出と進み、在留特別許可は最後の判断です。認定や判定に不服を留保せずに従うと、争点が事実上封じられます。令書発付後の事情変更は原則として考慮されません(注4)。なお令和5年改正入管法(令和6年6月10日施行)で申請手続が新設され(入管法50条1項)、考慮事情も法定されました(同条5項)。当時は職権発動による恩恵的措置です。令和6年改定では子の利益の保護の必要性も明示され、子がいる場合の評価は当時と同じではありません。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

この資料は各年20件台の抜粋にすぎません。別居を指摘された事例が不許可で並んでいても、それは同じ事情の方の結論を決めるものではありません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、許可後も違反認定処分の取消しを争っています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野とし、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当します。

観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの在留資格を失った事案では、婚姻・認知が未了で当局から一旦不受理とされたところ、憲法的観点から交渉して婚姻・認知を成立させ、当局の過去の許可事例を分析して1回の申請で在留特別許可を獲得しました。

特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案では、取調べ対応を徹底し、全件について不起訴処分を獲得しました。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制となるため、当事務所は起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標とします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当します。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐します。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携行政書士とワンストップで対応できます。

結語

出頭の順序と準備の厚みが、同じ婚姻でも結論を分けます。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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