舟渡国際法律事務所

平成18年・不正電磁的記録カード所持で不許可|留学生同士の婚姻と在留資格の別が問われた事例(不許可第15事例)

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平成18年・不正電磁的記録カード所持で不許可|留学生同士の婚姻と在留資格の別が問われた事例(不許可第15事例)

平成18年・不正電磁的記録カード所持で不許可|留学生同士の婚姻と在留資格の別が問われた事例(不許可第15事例)

2026/08/07

事例の概要

学業を続けていても、カード関係の事件は在留に直結します。平成18年に在留特別許可をしなかった25件(法務省入国管理局が平成20年12月公表)の第15事例です。東アジア出身の27歳男性。2000年に「就学1年」で入国し、日本語学校、専門学校を経て大学へ進学。2005年に「留学」で正規在留する同国人女性と婚姻しましたが、その後、不正電磁的記録カード所持で懲役1年執行猶予3年の判決を受けます(懲役は原典表記で、現行法では拘禁刑に相当します)。判決では、不合理な弁解を繰り返し反省の情が薄いと指摘されました。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

以下は現行ガイドライン(令和6年3月改定)への当てはめです。平成18年10月に第一次ガイドラインが策定され、この年から評価要素が公表されました。本事例が策定の前後どちらの判断かは資料から特定できません。

  • 消極要素・第2の3(ウ):在留カード等の公的書類の偽変造・不正受交付・行使・所持が挙げられ、カードの不正に関わる行為はこの趣旨で重く評価されます。
  • 消極要素・第2の6:全部執行猶予のため入管法24条4号リには当たりませんが、該当号は条文で確認が必要です。反省の情が薄いという指摘も、素行の評価に影響します。
  • 積極要素・第2の2(2)が特に考慮するのは別表第二の在留資格を持つ者との家族関係です。妻の資格は「留学」で別表第一であり、この積極要素には直接当たりません。第2の5の不法在留期間はなく、長期化の明示は令和6年改定です。

結論を分けた一線はどこか

ガイドライン第3は、積極要素が消極要素を明らかに上回る場合に許可の方向で検討します。同じ平成18年の許可第25事例は、不法入国した女性が「永住者」の日系一世男性と同居して婚姻し、出頭申告した事案で、同居事実と婚姻の信憑性が認められ「永住者の配偶者等」が許可されました。配偶者が別表第二の資格を持つかどうか、そして素行に重い消極要素があるかどうかが、結論を分けたと読めます。

弁護士のコメント

第1に、認識の争い方です。カード関係の事件では、そのカードが不正であるという認識の有無が主要な争点です。本事例では弁解が不合理と評価されており、説明の組み立て方が判決にも影響したと読めます。仮に不起訴処分を獲得できていれば、素行面の重い消極要素そのものを生じさせずに済んだ余地がありました。退去強制事由の判断に故意・過失を要しないとする運用は、松村弁護士が現に係争中の論点です。

第2に、当時と現在の違いです。令和5年改正入管法(令和6年6月10日施行)で申請手続が新設され(入管法50条1項)、考慮事情も法定されました(同条5項)。当時は職権発動による恩恵的措置です。令和6年改定では「本邦で家族とともに生活をするという子の利益の保護の必要性」も積極要素として明示され、家族の事情を主張する筋道は当時より広がっています。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

この資料は各年20件台の抜粋です。カード関係の事件に許可例が見えないことは、許可の望みがないという意味ではありません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、その後も違反認定処分の取消しを争っています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野とし、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当します。

不法就労助長罪に問われ退去強制の危機に直面した女性の事案では、退去強制事由に故意・過失は不要とする従来の実務を問い直すべく、責任主義の射程を争う訴訟を継続しています。この事件では在留特別許可を獲得したうえで、違反認定処分の取消しを求めています。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者の事案では、証拠分析と反対尋問により無罪判決を獲得しました。認識の有無が争点になる事件では、捜査段階の対応が結論を左右します。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制となるため、当事務所は起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標とします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当します。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐します。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携行政書士とワンストップで対応できます。

結語

カード関係の事件では、認識と入手の経緯を最初から丁寧に記録することが要点です。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
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