舟渡国際法律事務所

平成18年・日本語学校に入学せず稼働して不法残留、摘発で不許可|刑事処分がなくても許可されなかった事例(不許可第11事例)

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平成18年・日本語学校に入学せず稼働して不法残留、摘発で不許可|刑事処分がなくても許可されなかった事例(不許可第11事例)

平成18年・日本語学校に入学せず稼働して不法残留、摘発で不許可|刑事処分がなくても許可されなかった事例(不許可第11事例)

2026/08/07

事例の概要

刑事事件になっていなくても、在留特別許可が得られるとは限りません。平成18年に在留特別許可をしなかった25件(法務省入国管理局が平成20年12月公表)の第11事例です。アフリカ出身の33歳女性。2006年に「短期滞在90日」で入国し、日本語学校への入学を希望していたものの受付期間が終了していたため、そのまま稼働して不法残留となり、摘発されました。資料では、入学手続を何も承知せず、入学手続も行っていなかったと指摘されています。刑事処分の記載はありません。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

以下は現行ガイドライン(令和6年3月改定)への当てはめです。平成18年10月に第一次ガイドラインが策定され、この年から考慮要素が公表されるようになりました。本事例が策定の前後どちらの判断かは資料から特定できません。

  • 消極要素・第2の6:不法残留。該当号は条文で確認が必要です。入国目的と実際の活動が食い違っていた点も、在留管理秩序の観点から重く見られたと読めます。
  • 第2の9の出頭申告には当たりません。端緒は摘発です。
  • 積極要素として挙げられる家族関係(第2の2)や人道上の配慮(第2の7)に当たる記載はありません。第2の5の不法在留期間は短いものの、期間の短さがそれだけで積極要素になるわけではありません。なお長期化が明示的に消極要素とされたのは令和6年改定です。

結論を分けた一線はどこか

ガイドライン第3は、積極要素が消極要素を明らかに上回る場合に許可の方向で検討します。同じ平成18年の許可第6事例は、「短期滞在」から不法残留となった男性が本邦で小中高を卒業して大学に在学し、自ら出頭申告して学費と滞在費の支弁能力も認められ、「留学(1年)」が許可された事案です。学びの意思を示すには、在学の実績と自ら申告する姿勢が必要だったと読めます。

弁護士のコメント

刑事処分がない事例ですので、初動と立証の在り方を申し上げます。

第1に、出頭申告の時期と準備です。自ら地方出入国在留管理官署に出頭したことは、ガイドライン第2の9で積極要素とされています。摘発を受けてからでは、この評価は得られません。もっとも、ただ出頭すれば足りるのではなく、在留を必要とする事情の裏づけを整えてから臨むことが大切です。

第2に、違反審査の段階での立証です。退去強制手続は違反調査、違反審査、口頭審理、異議申出と進み、在留特別許可は最後の段階の判断です。在留を希望する理由や生活の実情は、この段階までに具体的な資料で示します。令書発付後の事情変更は原則として考慮されません(注4)。なお令和5年改正入管法(令和6年6月10日施行)で申請手続が新設され(入管法50条1項)、考慮事情も法定されました(同条5項)。当時は職権発動による恩恵的措置です。令和6年改定では子の利益の保護の必要性も明示され、家族の事情の評価は当時と同じではありません。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

この資料は各年20件台の抜粋です。似た経緯の許可例が見えないことは、許可の可能性がないことを意味しません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、許可後も違反認定処分の取消しを争っています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野とし、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当します。

観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの在留資格を失った事案では、婚姻・認知が未了で当局から一旦不受理とされたところ、憲法的観点から交渉して婚姻・認知を成立させ、当局の過去の許可事例を分析して1回の申請で在留特別許可を獲得しました。

特殊詐欺の出し子とされた20代女性の事案では、脅迫的な状況や犯意の不存在などを主張し、不起訴処分を獲得しました。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制となるため、当事務所は起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標とします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当します。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐します。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携行政書士とワンストップで対応できます。

結語

摘発を待つのか、自ら出頭するのか。この選択が評価の出発点を変えます。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

舟渡国際法律事務所

ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639


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