舟渡国際法律事務所

平成18年・執行猶予中の再犯で猶予が取り消され服役、不許可|日本人配偶者との同居が約4か月だった事例(不許可第6事例)

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平成18年・執行猶予中の再犯で猶予が取り消され服役、不許可|日本人配偶者との同居が約4か月だった事例(不許可第6事例)

平成18年・執行猶予中の再犯で猶予が取り消され服役、不許可|日本人配偶者との同居が約4か月だった事例(不許可第6事例)

2026/08/07

事例の概要

日本人の配偶者という資格があっても、同居が短く再犯があればどうなるか。平成18年に在留特別許可をしなかった25件(法務省入国管理局が平成20年12月公表)の第6事例です。東アジア出身の47歳女性。2000年に「短期滞在90日」で入国し、日本人男性と婚姻して「日本人の配偶者等」で在留していました。2002年に窃盗・暴行で懲役2年執行猶予4年となり、その猶予期間中の2004年に入管法違反(不法残留)と窃盗で懲役1年を受け、執行猶予が取り消されて服役しています(懲役は原典表記で、現行法では拘禁刑に相当します)。夫との同居は約4か月にとどまり、刑事裁判でも婚姻の実体喪失が指摘され、服役中の面会もなかったとされました。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

以下は現行ガイドライン(令和6年3月改定)への当てはめです。平成18年10月に第一次ガイドラインが策定され、この年から評価要素が公になりました。本事例が策定の前後どちらの判断かは資料から特定できません。

  • 消極要素・第2の6:財産犯と粗暴犯、そして猶予期間中の再犯。懲役1年は入管法24条4号リの「1年を超える」に文言上は当たりませんが、猶予取消しにより先の刑も執行されており、該当号は条文で確認が必要です。
  • 消極要素・第2の5:不法残留の期間。長期化が明示的に消極要素とされたのは令和6年改定で、当時は積極にも消極にもなり得るとされていました。
  • 積極要素・第2の2(1)(ウ):婚姻はあるものの、同居約4か月では安定かつ成熟とは評価されません。

結論を分けた一線はどこか

ガイドライン第3は、積極要素が消極要素を明らかに上回る場合に許可の方向で検討します。同じ平成18年の許可第4事例は、不法残留の女性が「定住者」の同国人男性と交際・同居し、摘発後に婚姻が成立した事案で、同居事実と婚姻の信憑性が認められ「定住者(1年)」が許可されました。婚姻の時期や端緒ではなく、共同生活の厚みと素行の内容が結論を分けたと読めます。

弁護士のコメント

第1に、最初の事件の重みです。猶予期間中の再犯は実刑となりやすく、実刑となれば在留の見通しは大きく狭まります。仮に1度目の窃盗・暴行の段階で不起訴処分を獲得できていれば、その後の猶予取消しという流れ自体を生じさせずに済んだ余地がありました。示談交渉や被害弁償を含む起訴前の活動が、在留を左右する場面です。

第2に、当時と現在の違いです。令和5年改正入管法(令和6年6月10日施行)で在留特別許可に申請手続が新設され(入管法50条1項)、考慮事情も法定されました(同条5項)。当時は職権発動による恩恵的措置でした。また令和6年改定で「本邦で家族とともに生活をするという子の利益の保護の必要性」が積極要素として明示され、本事例に子の記載はありませんが、同じ骨格で子を養育していれば評価は変わり得ます。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

この資料に載るのは各年20件台で、実際の判断のごく一部です。再犯や服役のある事例が不許可で並ぶことは、同じ経歴の方に道がないという意味ではありません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、その後も違反認定処分の取消しを争っています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野とし、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当します。

特殊詐欺の受け子として複数回にわたり再逮捕された事案では、取調べへの対応を徹底し、不当な取調べには抗議を重ねることで、全件について不起訴処分を獲得しました。1件目の処分をどう終わらせるかが、その後の在留を大きく左右します。

観光目的で来日した相談者が在留資格を失った事案では、当局の過去の許可事例を分析し、1回の申請で在留特別許可を獲得しました。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制となるため、当事務所は起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標とします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当します。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐します。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携行政書士とワンストップで対応できます。

結語

執行猶予は在留の保障ではありません。1件目の段階で不起訴を目指すことが要点です。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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