舟渡国際法律事務所

平成18年・日本国籍の子がいても不許可|他人の身分事項による婚姻と別居に至った事例(不許可第4事例)

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平成18年・日本国籍の子がいても不許可|他人の身分事項による婚姻と別居に至った事例(不許可第4事例)

平成18年・日本国籍の子がいても不許可|他人の身分事項による婚姻と別居に至った事例(不許可第4事例)

2026/08/07

事例の概要

日本国籍の子がいれば在留は認められるのか。平成18年に在留特別許可をしなかった25件(法務省入国管理局が平成20年12月公表)の第4事例です。アフリカ出身の27歳男性。2002年に稼働目的で不法入国し、2004年に日本人女性と同居して他人の身分事項で婚姻、2005年に子が生まれました。しかし女性への暴力により別居となり、2006年に当該女性に対する傷害で逮捕され、起訴猶予となっています。配偶者暴力防止法に基づく保護命令が出され、逮捕後に離婚が成立し、子の親権も当該女性となりました。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

以下は現行ガイドライン(令和6年3月改定)への当てはめです。平成18年10月は第一次ガイドラインが策定された月にあたり、この年から判断の考慮要素が公にされました。本事例が策定の前後どちらかは資料から判明しません。

  • 積極要素・第2の2(1)(ア)(イ):日本人の実子。ただし(イ)は相当期間の同居監護を求めており、本事例には監護の実態がありません。
  • 消極要素・第2の3:婚姻届に他人の身分事項を用いた点。公的な手続の真実性に関わる事情として重く評価されたと読めます。
  • 消極要素・第2の5・第2の6:不法入国による在留とその期間。該当号は条文で確認が必要です。期間の長期化が明示的に消極要素とされたのは令和6年改定です。

結論を分けた一線はどこか

ガイドライン第3は、積極要素が消極要素を明らかに上回る場合に許可の方向で検討します。同じ平成18年の許可第22事例は、婚姻に至らないまま日本人男性の胎児認知により日本国籍を取得した子を監護養育し、生活費の支弁を受けて出頭申告した女性に「定住者(1年)」が許可された事案です。子がいるかどうかではなく、子を現に監護し家庭が安定しているかどうかが一線と読めます。

弁護士のコメント

第1に、刑事処分の位置づけです。傷害については起訴猶予であり、有罪判決という消極要素は生じていません。もっとも保護命令や離婚に至る経緯そのものが、家族関係を積極要素として主張する基礎を失わせています。不起訴の獲得は重要ですが、それだけで在留の基礎が整うわけではないことを示す事例です。

第2に、当時と現在の違いです。令和6年改定で「本邦で家族とともに生活をするという子の利益の保護の必要性」が積極要素として明示されました。これは子の側の利益であり、子が安全に養育される環境が前提となります。本事例のように親権が他方にあり監護の実態がない場合、この要素は本人のためには働きにくいでしょう。他方、現に子を監護している事案では、当時よりも主張の足場は広がっています。あわせて、令和5年改正入管法(令和6年6月10日施行)で申請手続が新設され(入管法50条1項)、考慮事情も法定されました(同条5項)。当時は職権発動による恩恵的措置でした。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

公表されたのは各年20件台にとどまります。子がいながら不許可となった例が並ぶことは、子を監護する方の見通しを決めるものではありません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、許可後も違反認定処分の取消しを争っています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野とし、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当します。

観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの在留資格を失った事案では、婚姻・認知が未了で当局から一旦不受理とされたところ、憲法的観点から交渉して婚姻・認知を成立させ、国籍国発行の公的書類がほとんど存在しない状況でも有利な資料を集め、1回の申請で在留特別許可を獲得しました。

特殊詐欺の出し子とされた20代女性の事案では、指示役からの欺罔や脅迫的な状況、犯意の不存在などを総合的に主張し、不起訴処分を獲得しました。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制となるため、当事務所は起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標とします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当します。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐します。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携行政書士とワンストップで対応できます。

結語

子の利益は、現に子を監護している事実の積み上げによって初めて説得力を持ちます。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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