舟渡国際法律事務所

平成18年・親子関係の客観的な証拠がないまま同居する日本人の扶養で在留特別許可|1963年頃の不法入国と出頭申告(許可第21事例)

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平成18年・親子関係の客観的な証拠がないまま同居する日本人の扶養で在留特別許可|1963年頃の不法入国と出頭申告(許可第21事例)

平成18年・親子関係の客観的な証拠がないまま同居する日本人の扶養で在留特別許可|1963年頃の不法入国と出頭申告(許可第21事例)

2026/08/07

事例の概要

身分関係を証明する資料がほとんどない事案です。法務省入国管理局が平成20年12月に公表した資料の、平成18年の許可事例第21事例です。本人は東アジア出身の68歳男性。原典は、1963年(昭和38年)頃に不法入国したとし、2005年に出頭申告したと記載しています。既に死亡した内縁の妻との実子と称する日本人と同居し、親子関係の客観的な証拠はないものの、当該実子が引き続き父の面倒を見るとされています。結果は定住者(1年)です。原典が留保付きで記載していますので、本記事もその範囲を超えて断定しません。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

積極要素と消極要素が初めて例示されたのは、平成18年10月の第一次ガイドラインです。第3次出入国管理基本計画と規制改革・民間開放推進3か年計画(平成18年3月31日閣議決定)に基づきます。本事例が策定の前か後かは資料から分かりません。当てはめは現行ガイドライン(令和6年3月改定)によります。

  • 積極要素・第2の9:自ら出頭して不法滞在を申告したこと。
  • 積極要素・その他:本邦に扶養を続ける者がいること、高齢であること、長期の本邦生活。
  • 第2の2(1)(ア)に当たるかは判断できません。親子関係の客観的な証拠がないと原典が留保しています。
  • 消極要素・第2の5:40年を超える不法在留期間。長期化が明示的な消極要素とされたのは令和6年改定です。
  • 消極要素・第2の6:不法入国。なお資料はOCRによる読取りを含み、年号は参考にとどめます。

結論を分けた一線はどこか

ガイドライン第3は、積極要素が消極要素を明らかに上回る場合に許可を検討します。天秤を傾けたのは、自ら出頭したこと、本邦に現に扶養を続ける者がいることであったと読めます。同年の不許可第23事例は、2001年に日系三世として「定住者3年」で入国して稼働していたところ、2003年に強制わいせつ致傷で懲役2年となり服役し、逮捕前に同居していた日本人女性も身元引受を拒否しました(懲役は事例集公表当時の原典表記であり、現行法では拘禁刑に相当します)。引き受ける者がいるかどうかも、天秤に影響する事情と考えられます。

弁護士のコメント

刑事処分の記載はありません。第1に、身分関係の立証です。本事例は客観的な証拠がないまま許可されていますが、証拠がなくてよいという先例ではありません。居住の経過や扶養の実績など、代替となる資料を積み上げる作業が必要です。第2に、提出の時期です。違反審査の段階から示すべきで、令書発付後の事情変更は原則として考慮されません(注4)。当時は職権発動による恩恵的措置で、現在は申請手続(入管法50条1項)と考慮事情(同条5項)が法定されています(令和5年改正入管法・令和6年6月10日施行)。長期化を明示的な消極要素とした令和6年改定も踏まえると、当時の結論が今も同じとは言えません。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

平成18年の公表は許可25件(原典は事例7を欠番とし実際の掲載は24件)と不許可25件です。身分関係の証明が難しい事案は個別性が高く、同じ形の許可例が見当たらないことも珍しくありません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例に不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野とし、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当します。

日本人女性との間に子を授かったものの在留資格を失い、不法滞在で逮捕・起訴された相談者について、婚姻と認知を成立させた上で、入管法違反の刑事裁判を意識した被告人質問と証人尋問を行い、過去の許可事例の分析を踏まえて1回の申請で在留特別許可を獲得しました。

国際的な刑事事件、裁判員裁判の対象事件、世界的に報道された事件への対応実績があります。中国籍の方の重大事件にも多数対応しています。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制となるため、当事務所は起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標とします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当します。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐し、依頼者本人のために動く立場で対応します。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携行政書士とワンストップで対応できます。

結語

身分関係の証明が難しい事案では、現に扶養している人の存在をどう示すかが要点です。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639


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