舟渡国際法律事務所

平成18年・摘発が端緒でも永住者の夫との2年の同居で在留特別許可|永住者の配偶者等1年(許可第20事例)

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平成18年・摘発が端緒でも永住者の夫との2年の同居で在留特別許可|永住者の配偶者等1年(許可第20事例)

平成18年・摘発が端緒でも永住者の夫との2年の同居で在留特別許可|永住者の配偶者等1年(許可第20事例)

2026/08/07

事例の概要

摘発を端緒としながら許可された事例です。法務省入国管理局が平成20年12月に公表した資料の、平成18年の許可事例第20事例です。本人は東南アジア出身の27歳女性。2000年に「興行6月」で入国し、その後は稼働目的で不法残留となりました。「永住者」の中南米出身男性と2003年から同居し、2005年に婚姻しています。その後、不法残留の容疑で摘発されましたが、同居の事実が確認され、婚姻の信憑性が認められて永住者の配偶者等(1年)が許可されました。刑事処分の記載はありません。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

平成18年10月、第一次ガイドラインが策定されました。第3次出入国管理基本計画と規制改革・民間開放推進3か年計画(平成18年3月31日閣議決定)を受け、積極要素と消極要素が初めて外に示された年です。本事例が策定の前後どちらかは特定できません。当てはめは現行ガイドライン(令和6年3月改定)によります。

  • 積極要素・第2の2(2):別表第二の在留資格である「永住者」との家族関係。2003年からの同居があります。
  • 積極要素:同居の事実の確認と、婚姻の信憑性の認定。
  • 消極要素・第2の5:2000年からの不法在留期間。第2の6:不法残留。
  • 第2の9の出頭申告には当たりません(端緒は摘発です)。

結論を分けた一線はどこか

ガイドライン第3に照らすと、本事例では摘発という不利な端緒であっても、婚姻に先立つ2年ほどの同居が積極要素を支えたと読めます。同年の不許可第5事例は、1995年に不法入国し2000年に日本人男性と婚姻して2001年に在特を受けた後、経営するスナックで同国人女性に借金を負わせて稼働させ、2005年に売春防止法違反と入管法違反(不法就労助長)で懲役2年6月執行猶予4年となりました(懲役は事例集公表当時の原典表記であり、現行法では拘禁刑に相当します)。退去強制手続の歴も2回あります。他人を働かせる行為は第2の3(イ)(エ)に正面から当たり、婚姻や在特歴では覆らないと考えられます。

弁護士のコメント

刑事処分はありません。第1に、端緒の意味です。摘発でも許可はあり得ますが、出頭申告という積極要素を欠く分、他の要素で補う必要があります。第2に、対比事例に関わる論点です。不法就労助長は入管法24条3号の4に関わり、退去強制事由の判断に故意・過失を要しないとする従来の実務の当否は、松村大介弁護士が現に係争中の論点です。当時この構図で許可されたことは、現在の結論を保証しません。令和6年改定で不法在留期間の長期化が明示的な消極要素とされ、令和5年改正入管法(令和6年6月10日施行)により申請手続(入管法50条1項)と考慮事情(同条5項)が法定されたためです。当時は職権発動による恩恵的措置でした。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

平成18年の公表は許可25件(原典は事例7を欠番とし実際の掲載は24件)と不許可25件の抜粋です。公表事例で不許可が並ぶ類型でも結論は一様ではありません。現に当事務所は、不法就労助長に問われた事案で在留特別許可を得ており、許可後もなお違反認定処分の取消しを争っています。傾向は出発点であって結論ではありません。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野とし、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当します。

不法就労助長罪に問われ強制退去の危機に至った女性の事案では、公表事例に不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を獲得し、在特の取得後もなお違反認定処分そのものの取消しを求める訴訟を係争中です。

日本人女性との間に子を授かったものの在留資格を失い、不法滞在で逮捕・起訴された相談者について、婚姻と認知を成立させた上で、入管法違反の刑事裁判を意識した被告人質問と証人尋問を行い、過去の許可事例の分析を踏まえて1回の申請で在留特別許可を獲得しました。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制となるため、当事務所は起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標とします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当します。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐し、依頼者本人のために動く立場で対応します。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携行政書士とワンストップで対応できます。

結語

摘発が端緒の事案でも、それまでの生活の積み重ねを示せるかで見通しが変わります。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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