舟渡国際法律事務所

平成18年・不法入国で懲役2年6月執行猶予4年の判決後に婚姻して在留特別許可|日本人の配偶者等1年(許可第18事例)

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平成18年・不法入国で懲役2年6月執行猶予4年の判決後に婚姻して在留特別許可|日本人の配偶者等1年(許可第18事例)

平成18年・不法入国で懲役2年6月執行猶予4年の判決後に婚姻して在留特別許可|日本人の配偶者等1年(許可第18事例)

2026/08/07

事例の概要

有罪判決を受けた後に婚姻し、それでも許可された事例です。法務省入国管理局が平成20年12月に公表した資料の、平成18年の許可事例第18事例です。本人は東アジア出身の32歳男性。2001年に稼働目的で不法入国し、同僚の日本人女性と同居します。2005年に入管法違反(不法入国)で逮捕され、懲役2年6月執行猶予4年の判決を受けました(懲役は事例集公表当時の原典表記であり、現行法では拘禁刑に相当します)。その後に婚姻が成立し、信憑性が認められて日本人の配偶者等(1年)が許可されました。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

平成18年10月、第一次ガイドラインが策定されました。第3次出入国管理基本計画と規制改革・民間開放推進3か年計画(平成18年3月31日閣議決定)を受け、積極要素と消極要素が初めて外に示された年です。本事例が策定の前後どちらかは特定できません。当てはめは現行ガイドライン(令和6年3月改定)によります。

  • 積極要素・第2の2(1)(ウ):日本人との法的な婚姻。成立は判決の後ですが、先行する同居があります。
  • 消極要素・第2の6:不法入国と有罪判決。反社会性の程度に応じて消極要素となります。
  • 消極要素・第2の5:2001年からの不法在留期間。第2の9の出頭申告には当たりません。
  • 入管法24条4号リは無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者を対象としますが、全部執行猶予は除かれます。

結論を分けた一線はどこか

ガイドライン第3に照らすと、本事例では実刑を免れたことと同居の先行が積極要素の側を支えたと読めます。同年の不許可第12事例は、入国前からの婚姻の信憑性が認められて在特を受けた後、2005年に麻薬特例法違反で懲役1年1月となり、逮捕前に妻子と別居して夫婦関係が実質的に破綻していたとされました。有罪判決を受けた点は共通ですが、罪名の性質と婚姻の実態で結論が分かれたと考えられます。薬物関係法令違反による有罪は、入管法24条4号チにより執行猶予でも退去強制事由となります。

弁護士のコメント

第1に、不起訴の意義です。起訴前に不起訴処分を得ていれば、有罪という消極要素を生じさせずに済んだ余地がありました。もっとも不法入国それ自体が退去強制事由ですので、手続は避けられません。第2に、現行法の枠組みです。令和5年改正入管法50条1項ただし書は、1年を超える拘禁刑の実刑に処せられた者等について、人道上の配慮に欠けると認められる特別の事情がある場合に限り許可するとしますが、全部執行猶予は除かれています。当時この構図で許可されたことは、現在の結論を保証しません。令和6年改定で不法在留期間の長期化が明示的な消極要素とされ、令和5年改正入管法(令和6年6月10日施行)により申請手続(入管法50条1項)と考慮事情(同条5項)が法定されたためです。当時は職権発動による恩恵的措置でした。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

平成18年の公表は許可25件(原典は事例7を欠番とし実際の掲載は24件)と不許可25件です。掲載は抜粋で、有罪判決の後の許可例が公表資料に少ないことは、可能性がないことを意味しません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例に不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野とし、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当します。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者について、証拠の徹底した分析と被告人質問・反対尋問により無罪判決を獲得しました。裁判員裁判の対象事件や広く報道された重大事件にも多数対応しています。

観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの在留資格を失った事案では、婚姻と認知が未了で当局から一旦不受理とされたところ、憲法的観点から交渉して婚姻と認知を成立させ、国籍国発行の公的書類がほとんど存在しない状況下でも有利な資料を集め、1回の申請で在留特別許可を獲得しました。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制となるため、当事務所は起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標とします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当します。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐し、依頼者本人のために動く立場で対応します。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携行政書士とワンストップで対応できます。

結語

有罪判決を受けた後の事案では、どの号に当たるのかを最初に確認することが出発点です。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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