舟渡国際法律事務所

平成18年・離婚後の不法残留でも認知された子の監護養育で母子に在留特別許可|出頭申告で母は定住者1年(許可第14事例)

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平成18年・離婚後の不法残留でも認知された子の監護養育で母子に在留特別許可|出頭申告で母は定住者1年(許可第14事例)

平成18年・離婚後の不法残留でも認知された子の監護養育で母子に在留特別許可|出頭申告で母は定住者1年(許可第14事例)

2026/08/07

事例の概要

日本人の夫と離婚した後に在留資格を失った事例です。法務省入国管理局が平成20年12月に公表した資料の、平成18年の許可事例第14事例で、東アジア出身の母(34歳)と子(6歳)が対象です。母は1995年に「日本人の配偶者6月」で入国し、日本人の夫と離婚して不法残留となりました。その後、別の日本人男性と交際し、2000年に子が生まれています。当該男性は子を認知しましたが、婚姻には至りません。2005年に出頭申告をし、子の監護養育が認められました。結果は母が定住者(1年)、子が日本人の配偶者等(1年)です。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

平成18年10月、第一次ガイドラインが策定されました。第3次出入国管理基本計画と規制改革・民間開放推進3か年計画(平成18年3月31日閣議決定)を受け、積極要素と消極要素が初めて外に示された年です。本事例が策定の前後どちらかは特定できません。当てはめは現行ガイドライン(令和6年3月改定)によります。

  • 積極要素・第2の2(1)(ア)(イ):子は日本人男性から認知を受けた実子で、母はその監護養育者です。
  • 積極要素・第2の9:自ら出頭して不法滞在を申告したこと。
  • 積極要素:家族とともに生活する子の利益の保護の必要性(令和6年改定で明示)。
  • 第2の2(1)(ウ)には当たりません。婚姻に至っていないためです。
  • 消極要素・第2の5:1995年からの不法在留期間。第2の6:母子の不法残留。

結論を分けた一線はどこか

ガイドライン第3は、積極要素が消極要素を明らかに上回る場合に許可を検討します。天秤を傾けたのは、認知された子の監護養育と、自ら出頭したことであったと読めます。同年の不許可第9事例は、1999年に本国で婚姻した日本人男性との同居のため「日本人の配偶者等1年」で入国し、2002年に離婚して別の日本人男性と婚姻したものの、2006年に売春防止法違反で懲役6月執行猶予3年となり、現夫とは直近2年間同居がないとされました(懲役は事例集公表当時の原典表記であり、現行法では拘禁刑に相当します)。離婚後に別の関係を築いた構図は共通ですが、素行と同居の実態で分かれたと考えられます。

弁護士のコメント

刑事処分の記載はありません。第1に、資料です。認知の届出と戸籍の記載、監護の状況、生計の見通しが中心です。婚姻がない場合、家族関係の主張は子を軸に組み立てます。第2に、提出の時期です。違反審査の段階で示しておくべきもので、令書発付後の事情変更は原則として考慮されません(注4)。当時この構図で許可されたことは、現在の結論を保証しません。令和6年改定で不法在留期間の長期化が明示的な消極要素とされ、令和5年改正入管法(令和6年6月10日施行)により申請手続(入管法50条1項)と考慮事情(同条5項)が法定されたためです。当時は職権発動による恩恵的措置でした。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

平成18年の公表は許可25件(原典は事例7を欠番とし実際の掲載は24件)と不許可25件です。掲載は抜粋です。婚姻のない事案で似た許可例が見当たらないとしても、可能性の否定にはなりません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例に不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野とし、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当します。

在留資格を失った相談者について、当局から一旦不受理とされた婚姻と認知を憲法的観点からの交渉により成立させ、入管当局の過去の許可事例を分析した上で、1回の申請で在留特別許可を獲得した事案があります。国籍国発行の公的書類がほとんど存在しない状況下での資料収集も担いました。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者について、証拠の徹底した分析と被告人質問・反対尋問により無罪判決を獲得しました。裁判員裁判の対象事件や広く報道された重大事件にも多数対応しています。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制となるため、当事務所は起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標とします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当します。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐し、依頼者本人のために動く立場で対応します。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携行政書士とワンストップで対応できます。

結語

婚姻に至らない関係でも、子の認知と監護の記録が主張の中心になります。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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