舟渡国際法律事務所

平成18年・1972年の不法入国から30年以上の生活と本国に身寄りがない事情で在留特別許可|65歳男性が出頭申告して定住者1年(許可第13事例)

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平成18年・1972年の不法入国から30年以上の生活と本国に身寄りがない事情で在留特別許可|65歳男性が出頭申告して定住者1年(許可第13事例)

平成18年・1972年の不法入国から30年以上の生活と本国に身寄りがない事情で在留特別許可|65歳男性が出頭申告して定住者1年(許可第13事例)

2026/08/07

事例の概要

在留期間の長さそのものが評価された、旧運用の特徴が表れた事例です。法務省入国管理局が平成20年12月に公表した資料の、平成18年の許可事例第13事例です。本人は東アジア出身の65歳男性。1972年に不法入国し、以後本邦で生活してきました。2005年に出頭申告をし、相当期間の本邦生活、本国に身寄りがないこと、生計の安定が認められて定住者(1年)です。刑事処分の記載はありません。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

平成18年の事例は、判断基準が外に示されていなかった時期と示された後の境目にあります。第一次ガイドラインの策定は平成18年10月であり、第3次出入国管理基本計画と規制改革・民間開放推進3か年計画(平成18年3月31日閣議決定)を受けたものです。本事例がどちら側かは特定できません。以下は現行ガイドライン(令和6年3月改定)による整理です。

  • 積極要素・第2の9:自ら出頭して不法滞在を申告したこと。
  • 積極要素・その他:長期の生活基盤、地域との関係、生計の安定。
  • 積極要素・人道上の配慮の趣旨:高齢で本国に身寄りがないこと。第2の7(1)から(3)の文言には直ちに当たりません。
  • 消極要素・第2の5:30年を超える不法在留期間。当時は積極にも消極にもなり得るとされ、令和6年改定で明示的に消極要素とされました。
  • 消極要素・第2の6:不法入国。

結論を分けた一線はどこか

ガイドライン第3は、積極要素が消極要素を明らかに上回る場合に許可を検討します。30年を超える生活の蓄積と本国に身寄りがないことが、不法入国という消極要素を上回ったと読めます。同年の不許可第20事例は、1992年に「短期滞在15日」で入国して不法残留となり、1996年の出頭申告の後に所在不明となって、2002年に入管法違反で逮捕・起訴猶予となりました。本国に実子があり、在留を認めるべき理由が特に認められないとされています。分かれ目は、本国に生活の受け皿があるか、出頭後に手続に従ったかであったと考えられます。

弁護士のコメント

現在の運用との差が最も大きい類型です。長期の在留それ自体が生活基盤として評価された構造は、令和6年改定で長期化が明示的な消極要素とされたため、同じようには働きません。もっとも改定には、その間に日本人や地域社会との関係を構築している場合の留保があります。居住歴、就労と納税、地域との関係を示す資料を積み上げる意味は、現在も失われていません。なお当時の在留特別許可は職権発動による恩恵的措置でした。令和5年改正入管法(令和6年6月10日施行)で申請手続が新設され(入管法50条1項)、考慮事情も法定されました(同条5項)。長期化が明示的な消極要素とされたのも令和6年改定です。当時許可されたから今も同じ結論になる、とは言えません。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

平成18年の公表は許可25件(原典は事例7を欠番とし実際の掲載は24件)と不許可25件です。掲載は抜粋で、当時の判断の幅を読み取り切ることはできません。高齢で長期に在留してきた方の事案は個別性が高く、同じ形が公表事例に見当たらないことも珍しくありません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例に不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野とし、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当します。

観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの在留資格を失った事案では、婚姻と認知が未了で当局から一旦不受理とされたところ、憲法的観点から交渉して婚姻と認知を成立させ、国籍国発行の公的書類がほとんど存在しない状況下でも有利な資料を集め、1回の申請で在留特別許可を獲得しました。

国際的な刑事事件、裁判員裁判の対象事件、世界的に報道された事件への対応実績があります。中国籍の方の重大事件にも多数対応しています。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制となるため、当事務所は起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標とします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当します。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐し、依頼者本人のために動く立場で対応します。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携行政書士とワンストップで対応できます。

結語

長期の在留それ自体をどう位置づけるかは、現在では当時と評価が異なります。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639


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