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平成18年・父の脳出血の後遺症と本国の医療事情で家族3人に在留特別許可|出頭申告の後に婚姻届を提出して定住者1年(許可第3事例)

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平成18年・父の脳出血の後遺症と本国の医療事情で家族3人に在留特別許可|出頭申告の後に婚姻届を提出して定住者1年(許可第3事例)

平成18年・父の脳出血の後遺症と本国の医療事情で家族3人に在留特別許可|出頭申告の後に婚姻届を提出して定住者1年(許可第3事例)

2026/08/07

事例の概要

家族全員が在留資格を持たない場合でも、人道上の事情が認められた例です。平成20年12月公表の法務省入国管理局の資料の、平成18年の許可事例第3事例です。対象は東南アジア出身の父(42歳)・母(38歳)・子(6歳)の3名。母は1990年に「4-1-4・30日」(平成元年改正前の在留資格の表記です)で、父は1993年に「短期滞在90日」で入国し、いずれも不法残留。上陸後に同居し2000年に子が出生。父は脳出血で緊急手術を受け、その後遺症から本邦での生活の継続を希望して出頭申告し、出頭後に婚姻届を提出しています。本国の医療事情から父の治療の継続が必要とされ、3名とも定住者(1年)です。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

平成18年の事例は、判断基準が外に示されていなかった時期と示された後の境目にあります。第一次ガイドラインの策定は平成18年10月であり、第3次出入国管理基本計画と規制改革・民間開放推進3か年計画(平成18年3月31日閣議決定)を受けたものです。本事例がどちら側かは特定できません。以下は現行ガイドライン(令和6年3月改定)による整理です。

  • 積極要素・第2の7(1):難病等により本邦での治療を必要とすること、及びその看護。
  • 積極要素・第2の9:自ら出頭して不法滞在を申告したこと。
  • 第2の2(1)(2)には当たりません(家族に日本人や別表第二の在留資格者がいません)。
  • 消極要素・第2の5:母は16年前後、父は13年前後の不法在留期間。第2の6:不法残留。

結論を分けた一線はどこか

ガイドライン第3では、積極要素が消極要素を明らかに上回ることが必要です。天秤を傾けたのは、自ら出頭したこと、父の治療の継続が必要とされたこと、家族3人の生活の基盤が本邦にあったことの組合せであったと読めます。同年の不許可第13事例は、1996年に「技能1年」で入国し、コックの稼働先の倒産で不法残留となり、日本人女性と婚姻したものの、入管法違反で逮捕・起訴猶予となった後に退去強制歴が判明し、当該女性も離婚を考えているとされました。不法残留に至る経過は共通しますが、家族関係の継続性と退去強制歴の有無で分かれたと考えられます。

弁護士のコメント

刑事処分の記載はありません。本事例では出頭の後に婚姻届が提出されています。手続の途中で整えた事情も評価され得ますが、令書発付後の事情変更は原則として考慮されません(注4)。立証は、診断書、後遺症の経過、本国の医療事情、家族の同居と生計の実態です。当時この構図で許可されたことは、現在の結論を保証しません。令和6年改定で不法在留期間の長期化が明示的な消極要素とされ、令和5年改正入管法(令和6年6月10日施行)により申請手続(入管法50条1項)と考慮事情(同条5項)が法定されたためです。当時は職権発動による恩恵的措置でした。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

平成18年分の公表は許可25件(原典は事例7を欠番とし実際の掲載は24件)と不許可25件で、抜粋です。家族全員が不法滞在という構図の許可例が手元の資料に見当たらないとしても、可能性の否定と受け取る必要はありません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例に不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野とし、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当します。

不法就労助長罪に問われ強制退去の危機に至った女性の事案では、公表事例に不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を獲得し、在特の取得後もなお違反認定処分そのものの取消しを求める訴訟を係争中です。

観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの在留資格を失った事案では、婚姻と認知が未了で当局から一旦不受理とされたところ、憲法的観点から交渉して婚姻と認知を成立させ、国籍国発行の公的書類がほとんど存在しない状況下でも有利な資料を集め、1回の申請で在留特別許可を獲得しました。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制となるため、当事務所は起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標とします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当します。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐し、依頼者本人のために動く立場で対応します。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携行政書士とワンストップで対応できます。

結語

一家全員が不法滞在という事案では、出頭申告の時期と人道的事情の立証を同時に組み立てる必要があります。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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