舟渡国際法律事務所

平成18年・被退去強制歴1回でも日本人夫との婚姻の信憑性で在留特別許可|不法入国で逮捕・起訴猶予、日本人の配偶者等1年(許可第1事例)

お問い合わせはこちら

平成18年・被退去強制歴1回でも日本人夫との婚姻の信憑性で在留特別許可|不法入国で逮捕・起訴猶予、日本人の配偶者等1年(許可第1事例)

平成18年・被退去強制歴1回でも日本人夫との婚姻の信憑性で在留特別許可|不法入国で逮捕・起訴猶予、日本人の配偶者等1年(許可第1事例)

2026/08/07

事例の概要

日本人の夫がいても、過去の退去強制歴で諦めてしまう方がいらっしゃいます。法務省入国管理局が平成20年12月に公表した資料の、平成18年の許可事例第1事例です。本人は東南アジア出身の41歳女性。2000年に稼働目的で不法入国し、稼働先で知り合った日本人男性と2005年に同居を始めて婚姻しました。2006年に入管法違反(不法入国)で逮捕され、処分は起訴猶予。被退去強制歴が1回ありましたが、同居の事実と夫の親族が婚姻を承知していたことから信憑性が認められ、日本人の配偶者等(1年)が許可されました。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

平成18年10月、第一次ガイドラインが策定されました。第3次出入国管理基本計画と規制改革・民間開放推進3か年計画(平成18年3月31日閣議決定)を受け、積極要素と消極要素が初めて外に示された年です。本事例が策定の前後どちらかは特定できません。当てはめは現行ガイドライン(令和6年3月改定)によります。

  • 積極要素・第2の2(1)(ウ):日本人との法的な婚姻と共同生活。同居の事実と夫の親族の承知が信憑性を裏づけます。
  • 消極要素・第2の5:2000年からの不法在留期間。
  • 消極要素・第2の6:不法入国と1回の被退去強制歴。どの号に当たるかは事案ごとに条文で確認する必要があります。
  • 第2の9の出頭申告には当たりません(端緒は逮捕です)。

結論を分けた一線はどこか

ガイドライン第3は、積極要素が消極要素を明らかに上回る場合に許可の方向で検討するとします。本事例で天秤を傾けたのは、同居の事実と夫の親族の承知という客観的な裏づけであったと読めます。同年の不許可第14事例は、稼働目的の不法入国後に日本人男性と婚姻して出頭申告し、入管法違反も起訴猶予でしたが、当該男性の生活の本拠が供述と異なる実家にあり同居が認められず不許可でした。分けたのは端緒でも退去強制歴でもなく、婚姻の実態であったと考えられます。

弁護士のコメント

起訴猶予は不起訴処分の一種で、有罪判決という消極要素を生じさせずに済んでいます。もっとも不法入国それ自体が退去強制事由ですから、手続は避けられません。起訴前に処分を止めることには、入管手続に残る消極要素を一つ減らす意味があります。同居を示す資料は、令書発付後の事情変更が原則として考慮されないこと(注4)を踏まえ、違反審査の段階から提出しておくのが望ましいところです。当時は職権発動による恩恵的措置で、現在は申請手続(入管法50条1項)と考慮事情(同条5項)が法定されています(令和5年改正入管法・令和6年6月10日施行)。長期化を明示的な消極要素とした令和6年改定も踏まえると、当時の結論が今も同じとは言えません。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

平成18年分は許可と不許可が25件ずつ並んで公表された年です(許可は原典が事例7を欠番とするため実際の掲載は24件)。掲載は抜粋にとどまり、似た構図の許可例が見当たらないことは可能性の否定を意味しません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例に不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野とし、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当します。

観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの在留資格を失った事案では、婚姻と認知が未了で当局から一旦不受理とされたところ、憲法的観点から交渉して婚姻と認知を成立させ、国籍国発行の公的書類がほとんど存在しない状況下でも有利な資料を集め、1回の申請で在留特別許可を獲得しました。

特殊詐欺の出し子とされた20代女性の事案では、指示役からの欺罔や脅迫的な状況、犯意の不存在を総合的に主張し、不起訴処分を獲得しました。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制となるため、当事務所は起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標とします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当します。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐し、依頼者本人のために動く立場で対応します。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携行政書士とワンストップで対応できます。

結語

婚姻の実態を客観的な資料で示せるかが、この類型の要点になります。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

舟渡国際法律事務所

ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

----------------------------------------------------------------------
舟渡国際法律事務所
住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639


東京にて中国人の方をサポート

東京を中心に刑事事件の弁護

----------------------------------------------------------------------

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。