舟渡国際法律事務所

平成19年・小学2年の子がいても家族3人が不許可|父の複数回の退去強制歴と他人の身分事項による入国が重く見られた事例(不許可第4事例)

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平成19年・小学2年の子がいても家族3人が不許可|父の複数回の退去強制歴と他人の身分事項による入国が重く見られた事例(不許可第4事例)

平成19年・小学2年の子がいても家族3人が不許可|父の複数回の退去強制歴と他人の身分事項による入国が重く見られた事例(不許可第4事例)

2026/08/07

事例の概要

子が日本の小学校に通っていても不許可となった例です。平成19年に在留特別許可をしなかった10件のうちの第4事例で、東アジア出身の家族3名(父38歳、母34歳、子8歳)が対象です。1995年に父が不法入国し、1998年に母が「短期滞在15日」で入国して不法残留となりました。2人は日本で知り合って同居し、1999年に子が生まれています。父は2000年に他人の身分事項で退去強制となりましたが、その直後に真正な身分で「短期滞在15日」で入国し、再び不法残留となります。2007年の摘発により退去強制手続が始まり、子は小学2年に在学していました。父にはほかにも退去強制歴が判明しています。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

平成19年は第一次ガイドライン(平成18年10月策定)の下での運用です。以下は現行ガイドライン(令和6年3月改定)による整理です。

  • 積極要素・第2の2(3):子が本邦の初等中等教育機関で教育を受けていること。もっとも小学2年で、相当期間といえるかは評価が分かれます。
  • 積極要素:家族とともに生活する子の利益の保護の必要性。明示されたのは令和6年改定であり、当時は明文の要素ではありませんでした。現在であれば、この点が当時とは別に評価される余地があります。
  • 消極要素・第2の5:父は2000年の再入国後7年前後、母は9年前後の不法在留期間。長期化の明示も令和6年改定です。
  • 消極要素・第2の6:他人の身分事項による入国と複数回の被退去強制歴。
  • 出頭申告(第2の9)には当たりません。

結論を分けた一線はどこか

第3は、積極要素が消極要素を明らかに上回る場合に許可の方向で検討するとします。同じ平成19年の許可第8事例も父母と子の3名の家族ですが、子は日本の小中を卒業して高校1年に在学しており、父母も婚姻していました。本事例は子が小学2年で、父に他人の身分事項による入国と複数回の被退去強制歴があり、端緒も摘発でした。就学の積み重ねと親の側の違反の重さが逆の向きに働いたと考えられます。

弁護士のコメント

第1に、親の事情が子の事情を覆う構造です。子の就学は積極要素ですが、被退去強制歴が重なり、他人の身分事項を用いた入国という経緯があると、天秤は動きにくくなります。家族の事案では、親の側の経緯をどう説明するかが避けられない課題になります。

第2に、時期と制度です。就学が短い段階で摘発されると、示せる積極要素が限られます。注4により令書発付後の事情変更は原則として考慮されませんから、違反審査の段階で子の生活を具体的に示すほかありません。当時は職権発動による恩恵的措置であり、申請手続と考慮事情が法定された現在(令和5年改正入管法・入管法50条1項・5項)とは前提が異なります。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

平成19年分の公表は許可・不許可それぞれ10件で、この年が最後です。平成20年から平成25年までの6年分は本体が見当たりません。子の年齢や就学期間が近い事案でも結論は分かれますし、6年分の記録が欠けている以上、公表事例の並びから見通しを決めてしまうべきではありません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野とし、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当します。

観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの在留資格を失った事案では、婚姻・認知が未了で当局から一旦不受理とされたところ、憲法的観点から交渉して婚姻・認知を成立させ、国籍国発行の公的書類がほとんど存在しない状況下でも有利な資料を集め、1回の申請で在留特別許可を獲得しました。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制となるため、当事務所は起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標とします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当します。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐します。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携行政書士とワンストップで対応できます。

結語

家族の事案では、子の生活と親の経緯の両方を正面から扱う必要があります。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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