舟渡国際法律事務所

平成19年・摘発を端緒としても母子に在留特別許可|子の先天性の難病と本国での治療の困難が認められ特定活動1年となった事例(許可第9事例)

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平成19年・摘発を端緒としても母子に在留特別許可|子の先天性の難病と本国での治療の困難が認められ特定活動1年となった事例(許可第9事例)

平成19年・摘発を端緒としても母子に在留特別許可|子の先天性の難病と本国での治療の困難が認められ特定活動1年となった事例(許可第9事例)

2026/08/07

事例の概要

摘発が端緒でも人道的な事情で許可された例です。平成19年に在留特別許可をした10件のうちの第9事例で、東南アジア出身の母(26歳)と子(1歳)が対象です。母は2003年に「興行6月」で入国した後、不法残留となりました。2005年に日本人男性との子を出産していますが、婚姻にも認知にも至っていません。2006年に不法残留で摘発されました。子には先天性の難病があり、本国での治療が困難とされています。入管法以外の法令違反はありません。結果は母子いずれも「特定活動(1年)」です。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

平成19年は第一次ガイドライン(平成18年10月策定)の下での運用です。以下は現行ガイドライン(令和6年3月改定)による整理です。

  • 積極要素・第2の7(1):難病等により本邦での治療を必要とすること。子の治療の必要性が中心です。
  • 積極要素:家族とともに生活する子の利益の保護の必要性。明示されたのは令和6年改定で、当時は明文の要素ではありませんでした。
  • 認知に至っていないため、日本人の実子との家族関係(第2の2(1))には当たりません。許可が「特定活動」であったことも、これと整合します。
  • 消極要素・第2の5:3年前後の不法在留期間。長期化が消極要素と明示されたのは令和6年改定です。
  • 出頭申告(第2の9)には当たりません。

結論を分けた一線はどこか

第3は、積極要素が消極要素を明らかに上回る場合に許可の方向で検討するとします。本事例は、摘発という端緒で婚姻も認知もない状態でしたが、子の治療の必要性が正面から評価されたと読めます。同じ平成19年の不許可第7事例は、日本人の配偶者として入国した後に離婚し、別の日本人男性と婚姻していた事案ですが、婚姻が安定かつ成熟しているとは認められず、売春防止法違反で執行猶予付きの有罪判決も受けています。婚姻という形式の有無ではなく、保護を必要とする実質があるかどうかが分かれ目と読めます。

弁護士のコメント

第1に、摘発を端緒とする事案でも道は残るということです。出頭申告は有力な積極要素ですが、それがない事案でも、人道上の配慮に当たる事情があれば天秤は動きます。違反調査、違反審査(認定)、口頭審理(判定)、異議申出のどの段階でも、医療上の必要性を早く示すことが要点です。

第2に、資料の作り方です。診断書と治療の見通し、本国の医療事情に関する客観的な資料、日々の監護の状況が中心になります。事案により父子関係に関する手続を検討する余地もありますが、個別の判断が必要です。注4により令書発付後の事情変更は原則として考慮されません。当時は職権発動による恩恵的措置で、令和5年改正入管法(令和6年6月10日施行)による申請手続の新設と考慮事情の明示(入管法50条1項・5項)より前の判断です。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

この事例集は各年20件前後の抜粋で、平成19年分が最後になっています。平成20年から平成25年までの6年分は本体を確認できず、その6年に同じような事情で許可された方が何人いたのかも分かりません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野とし、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当します。

観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの在留資格を失った事案では、婚姻・認知が未了で当局から一旦不受理とされたところ、憲法的観点から交渉して婚姻・認知を成立させ、過去の許可事例の分析を重ねて1回の申請で在留特別許可を獲得しました。身分関係の手続と入管手続を並行して進める必要がある場面です。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制となるため、当事務所は起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標とします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当します。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐します。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携行政書士とワンストップで対応できます。

結語

治療の必要性が中心となる事案では、医療と本国事情の資料を早く揃えることが要点です。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639


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