舟渡国際法律事務所

平成19年・不法入国から12年、永住者の女性とその子と同居して在留特別許可|入管法違反で執行猶予判決を受けても許可された事例(許可第7事例)

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平成19年・不法入国から12年、永住者の女性とその子と同居して在留特別許可|入管法違反で執行猶予判決を受けても許可された事例(許可第7事例)

平成19年・不法入国から12年、永住者の女性とその子と同居して在留特別許可|入管法違反で執行猶予判決を受けても許可された事例(許可第7事例)

2026/08/07

事例の概要

不法入国から長い年月が経ち有罪判決も受けた事例です。平成19年に在留特別許可をした10件のうちの第7事例で、南アジア出身の46歳男性です。1995年に稼働の目的で不法入国し、1998年に在留資格「永住者」を有する東南アジア出身の女性と知り合い、2000年からその女性と実子と同居していました。2007年に入管法違反で逮捕され、懲役2年6月、執行猶予3年の判決を受けています(懲役は事例集公表当時の原典表記であり、現行法では拘禁刑に相当します)。婚姻は逮捕の直後に成立しましたが、同居の事実と婚姻の信憑性が認められました。入管法以外の法令違反はありません。結果は「永住者の配偶者(1年)」です。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

平成19年は第一次ガイドライン(平成18年10月策定)の下での運用です。以下は現行ガイドライン(令和6年3月改定)による整理です。

  • 積極要素・第2の2(2):別表第二の在留資格「永住者」との婚姻関係。7年に及ぶ同居が信憑性を支えています。
  • 積極要素・その他:入管法以外の法令違反がないこと。
  • 消極要素・第2の5:12年前後の不法在留期間。長期化が消極要素と明示されたのは令和6年改定です。
  • 消極要素・第2の6:不法入国。全部執行猶予であるため入管法24条4号リには当たらないと読めます。
  • 同居していた子は配偶者の実子で、国籍の記載はありません。子の利益の保護の必要性を明示した令和6年改定の下では、この点が別途評価される余地があります。

結論を分けた一線はどこか

第3は、積極要素が消極要素を明らかに上回る場合に許可の方向で検討するとします。決定的だったのは、婚姻の成立が遅れても2000年からの同居が7年続いていた点だと読めます。同じ平成19年の不許可第3事例は、同国人の恋人との婚姻を希望した事案ですが、相手に婚姻の意思がないと判明し、窃盗で実刑判決を受け、退去強制手続も2回目でした。婚姻を望むかどうかではなく、共同生活の事実がどれだけ積み上がったかが分かれ目と考えられます。

弁護士のコメント

第1に、刑事処分の位置づけです。本事例の刑は全部執行猶予で、無期又は1年を超える拘禁刑を対象とする入管法24条4号リには当たらないと読めます。もっとも不法入国それ自体が退去強制事由です。起訴前の段階で不起訴処分を得られていれば、有罪判決という消極要素を生じさせずに済んだ余地はあったと考えられます。

第2に、同居の立証です。7年という長さは、住居の履歴、家計の一体性、近隣の陳述によって初めて資料になります。注4により令書発付後の事情変更は原則として考慮されません。当時は職権発動による恩恵的措置でしたが、令和5年改正入管法(令和6年6月10日施行)で申請手続が新設され、考慮事情も明示されました(入管法50条1項・5項)。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

平成19年分の事例は許可10件・不許可10件です。そして公表はこの年で途切れ、平成20年から平成25年までの6年分は本体が見当たりません。6年の空白は、公表事例が全体像ではないことを何より端的に示しています。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野とし、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当します。

特殊詐欺の受け子として複数回にわたり再逮捕された事案では、取調べへの対応を徹底し、不当な取調べには抗議を重ねることで、全件について不起訴処分を獲得しました。処分の内容が、その後の在留の可否を大きく左右します。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制となるため、当事務所は起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標とします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当します。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐し、依頼者本人のために動く立場で対応します。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携行政書士とワンストップで対応できます。

結語

長い共同生活は、資料の形にしてはじめて積極要素として届きます。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639


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