舟渡国際法律事務所

平成19年・一家5人が出頭申告して全員に在留特別許可|高校1年と小学3年の子の就学と14年の家族生活が評価された事例(許可第5事例)

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平成19年・一家5人が出頭申告して全員に在留特別許可|高校1年と小学3年の子の就学と14年の家族生活が評価された事例(許可第5事例)

平成19年・一家5人が出頭申告して全員に在留特別許可|高校1年と小学3年の子の就学と14年の家族生活が評価された事例(許可第5事例)

2026/08/07

事例の概要

家族全員で出頭を選んだ場合の代表例です。平成19年に在留特別許可をした10件のうちの第5事例で、東南アジア出身の家族5名(父48歳、母43歳、子15歳・8歳・5歳)が対象です。1991年に父が寄港地上陸許可の後に不法残留となり、1996年に母と第一子が「短期滞在90日」で入国して不法残留となります。1998年に第二子、2002年に第三子が日本で生まれています。入国以来家族として生活し、2005年に一家5名で出頭申告しました。第一子は義務教育を修了して高校1年、第二子は小学3年に在学しています。結果は5名いずれも「定住者(1年)」です。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

平成19年は第一次ガイドライン(平成18年10月策定)の下での運用で、基準が公表された後の年です。以下は現行ガイドライン(令和6年3月改定)による整理です。

  • 積極要素・第2の2(3):本邦の初等中等教育機関で相当期間教育を受けた子とその監護養育者。高校1年と小学3年の在学です。
  • 積極要素・第2の9:家族全員での出頭申告。
  • 積極要素:家族とともに生活する子の利益の保護の必要性。明示されたのは令和6年改定です。
  • 消極要素・第2の5:父は14年前後、母と第一子は9年前後の不法在留期間。長期化が消極要素と明示されたのは令和6年改定です。
  • 消極要素・第2の6:不法残留。どの号に当たるかは事案ごとに条文に当たって確認する必要があります。

結論を分けた一線はどこか

第3の判断手法は、積極要素が消極要素を明らかに上回る場合に許可の方向で検討するものです。本事例では、家族全員が自ら出頭したことと、子2人が日本の学校に長く通っていることが、14年に及ぶ不法在留を上回ったと読めます。同じ平成19年の不許可第9事例は、父が寄港地上陸許可の後の不法残留、母が「興行3月」での入国後の不法残留で、2000年に生まれた子が小学2年に在学していましたが、2007年に摘発されて手続が始まり、父母は婚姻していませんでした。出頭申告か摘発か、就学の積み重ねの厚みが分かれ目と考えられます。

弁護士のコメント

刑事処分の記載がない事例です。手続面から2点を述べます。

第1に、家族単位で出頭する意味です。この時期の許可事例は家族全員又は母子での出頭申告が多数を占めます。誰か一人だけが手続に乗る形にすると、家族の結合という積極要素を示しにくくなります。

第2に、就学の立証と制度の変化です。在学証明や地域との関わりを示す資料を、違反審査の段階から積み上げる必要があります。注4により令書発付後の事情変更は原則として考慮されません。当時は職権発動による恩恵的措置でしたが、令和5年改正入管法(令和6年6月10日施行)で申請手続が新設され(入管法50条1項)、考慮事情も法律上明示されました(同条5項)。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

この事例集は各年の抜粋であり、平成19年は許可10件と不許可10件だけが載っています。加えて、平成20年から平成25年までの6年分は本体を確認できません。6年分の記録が欠けた資料を根拠に、可能性の有無を判断することはできません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野とし、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当します。

観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの在留資格を失った事案では、婚姻・認知が未了で当局から一旦不受理とされたところ、憲法的観点から交渉して婚姻・認知を成立させ、過去の許可事例を分析して1回の申請で在留特別許可を獲得しました。家族の結合を正面から主張する場面で、この分析が効きます。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制となるため、当事務所は起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標とします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当します。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐します。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携行政書士とワンストップで対応できます。

結語

子を含む家族の事案では、学校と地域における生活の記録が最も強い資料になります。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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