舟渡国際法律事務所

平成19年・日本語学校に通わず不法残留、定住者の男性と逮捕直後に婚姻して在留特別許可|刑事処分を受けずに引渡しとなった事例(許可第2事例)

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平成19年・日本語学校に通わず不法残留、定住者の男性と逮捕直後に婚姻して在留特別許可|刑事処分を受けずに引渡しとなった事例(許可第2事例)

平成19年・日本語学校に通わず不法残留、定住者の男性と逮捕直後に婚姻して在留特別許可|刑事処分を受けずに引渡しとなった事例(許可第2事例)

2026/08/07

事例の概要

学校に通わないまま在留期限が過ぎた場合の事例です。平成19年に在留特別許可をした10件のうちの第2事例で、東南アジア出身の27歳女性です。2004年に「就学6月」で入国して日本語学校に入学しましたが、通学せず不法残留となりました。2006年から在留資格「定住者」を有する南米出身の男性と同居し、2007年に入管法違反(不法残留)で逮捕されたものの、刑事処分は受けずに入管当局へ引き渡されています。婚姻は逮捕の直後に成立し、同居の事実と婚姻の信憑性が認められました。入管法以外の法令違反はありません。結果は「定住者(1年)」です。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

平成19年は第一次ガイドライン(平成18年10月策定)の下での運用で、基準が公表された後の年の判断です。以下は現行ガイドライン(令和6年3月改定)による整理です。

  • 積極要素・第2の2(2):別表第二の在留資格「定住者」との婚姻関係。同居の事実と婚姻の信憑性が認められ、入管法以外の法令違反もありません。
  • 消極要素・第2の5:3年前後の不法在留期間。長期化が明示的に消極要素とされたのは令和6年改定で、当時の位置づけは異なりました。
  • 消極要素・第2の6:不法残留。どの号に当たるかは事案ごとに条文に当たって確認する必要があります。
  • 出頭申告(第2の9)には当たりません。子の記載はなく、令和6年改定で明示された子の利益の保護の必要性も本事例では働きません。

結論を分けた一線はどこか

第3の判断手法は、積極要素が消極要素を明らかに上回る場合に許可の方向で検討するものです。本事例では、婚姻の成立が逮捕の直後であっても、2006年からの同居が先行していたため婚姻の信憑性が裏づけられたと読めます。同じ平成19年の不許可第8事例も、就学で入国した後に不法残留となり「永住者」の男性と婚姻した事案ですが、申し立てられた同居の事実がなく、相手方が述べた勤務先も1年以上前に解雇済みでした。同居が実際にあるかどうかが結論を分けたと考えられます。

弁護士のコメント

第1に、刑事処分を受けずに引渡しとなった点です。逮捕されても起訴されなければ有罪判決は残らず、素行面の消極要素は軽くなり得ます。逮捕の直後は身柄拘束の可否が決まる時間で、黙秘権の適切な行使、早期の弁護人選任、依頼者本人のために動く通訳の確保が後の入管手続にも影響します。

第2に、違反審査の段階からの備えです。手続は違反調査、違反審査(認定)、口頭審理(判定)、異議申出と進み、注4により令書発付後の事情変更は原則として考慮されません。当時は職権発動による恩恵的措置でしたが、令和5年改正入管法(令和6年6月10日施行)で申請手続が新設され(入管法50条1項)、考慮事情も明示されました(同条5項)。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

この一連の公表事例は平成19年分で途切れています。平成20年から平成25年までの6年分は、入管庁のウェブサイトにも当事務所の入手資料にも本体が見当たりません。年20件前後の抜粋である上に6年の空白があること自体が、公表事例が網羅的でないことを端的に示しています。当事務所が担当した不法就労助長の事案も、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野とし、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当します。

不法就労助長罪に問われ退去強制の危機にあった女性の事案では、在留特別許可を獲得した上で、退去強制事由に故意・過失を要しないとしてきた従来の実務の在り方を問う訴訟を係争中です。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制となるため、当事務所は起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標とします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当します。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐し、依頼者本人のために動く立場で対応します。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携行政書士とワンストップで対応できます。

結語

逮捕を端緒とする事案でも、それ以前の生活の実態を示せれば道は残ります。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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