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平成26年・覚せい剤取締法違反で懲役1年6月、薬物の前科があり不許可|日系二世の主張が認められなかった事例(D類型不許可第7事例)

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平成26年・覚せい剤取締法違反で懲役1年6月、薬物の前科があり不許可|日系二世の主張が認められなかった事例(D類型不許可第7事例)

平成26年・覚せい剤取締法違反で懲役1年6月、薬物の前科があり不許可|日系二世の主張が認められなかった事例(D類型不許可第7事例)

2026/08/07

事例の概要

同種の前科の重なりが判断に及ぶ例です。平成26年分事例集(出入国在留管理庁が公表)のD類型(その他)不許可第7事例です。違反態様は刑罰法令違反と不法残留、端緒は警察による逮捕、在日約17年4月、違反期間は約2年4月です。刑事処分は覚せい剤取締法違反により懲役1年6月の判決です(懲役は事例集公表当時の原典表記であり、現行法では拘禁刑に相当します)。在留希望の理由は日系二世であることと本邦の生活基盤です。特記事項には、服役中に不法残留となったこと、大麻取締法違反と覚せい剤取締法違反の前科があると記されています。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

当てはめは令和6年3月改定の現行ガイドラインによります。本事例自体は改正入管法施行(令和6年6月10日)前、改定前ガイドラインの下での判断です。

  • 積極要素:日系二世と生活基盤の主張のみで、第2の2の家族関係の記載はなく、第2の9にも当たりません。
  • 消極要素・第2の6:薬物事犯による有罪。24条4号チは薬物関係法令違反による有罪を退去強制事由とし、執行猶予でも含まれます。本事例は実刑ですので4号リ(無期又は1年を超える拘禁刑)にも当たります。
  • 現行法では、これに該当する場合の在留特別許可は50条1項ただし書により、在留を許可しないことが人道上の配慮に欠ける特別の事情がある場合に限られます。
  • 消極要素:同種の前科。反社会性の評価を高めます。
  • 消極要素・第2の5:約2年4月の不法残留。

結論を分けた一線はどこか

本事例の刑は懲役1年6月で、同じ平成26年D類型の不許可第6事例の懲役7年より軽いものの、結論は同じでした。薬物関係法令違反が入管法24条4号チにより刑の重さと無関係に退去強制事由となること、同種の前科の重なりが理由と読めます。同じ平成26年D類型の許可第6事例は、日本人の子として占領下の沖縄で出生した方の事案で、端緒は同じ警察による逮捕でしたが刑事処分はありません。刑の長短ではなく、薬物事犯かどうかが分水嶺と考えられます。

弁護士のコメント

2点を挙げます。

第1に、薬物事犯では執行猶予の獲得が在留の維持につながりません。24条4号チは執行猶予でも退去強制事由とするため、目標は起訴前の不起訴処分に置く必要があります。不起訴を獲得できていれば、退去強制事由該当性そのものを生じさせずに済んだ可能性があります。

第2に、逮捕直後の対応です。逮捕から勾留決定までの72時間が、その後の流れを決めます。薬物事犯では所持や使用の認識が争点になり得ますので、黙秘権の行使を含め早期に方針を立てる必要があります。捜査機関の通訳とは別に、本人のために動く通訳の確保も重要になります。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集は各年20件前後の抜粋にとどまり、その年の判断の全部ではありません。同じ事情の許可例が見当たらないことは、許可の可能性がないことを意味しません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、許可後も違反認定処分の取消しを争っております。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続に注力しております。担当は松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)です。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者について、徹底した証拠分析と被告人質問・反対尋問により無罪判決を獲得しております。裁判員裁判の対象事件や報道された重大事件にも多数対応してまいりました。

観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの在留資格を失い、不法滞在で逮捕・起訴された事案では、婚姻と認知が未了で当局から一旦不受理とされたところ、憲法的な観点から交渉して婚姻と認知を成立させ、入管当局の過去の許可事例を分析して、1度の申請で在留特別許可を獲得しております。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制に至るため、当事務所は起訴前の段階からの不起訴処分の獲得を最優先の目標としております。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします。外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐し、依頼者ご本人のために動きます。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

薬物事犯では、入管法24条の構造を踏まえた弁護方針を最初の段階で立てることが要点になります。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

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