舟渡国際法律事務所

平成26年・児童相談所に保護されていた方に特定活動(6月)|本国の実父に引き取られる準備期間として在留特別許可が出た事例(D類型許可第7事例)

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平成26年・児童相談所に保護されていた方に特定活動(6月)|本国の実父に引き取られる準備期間として在留特別許可が出た事例(D類型許可第7事例)

平成26年・児童相談所に保護されていた方に特定活動(6月)|本国の実父に引き取られる準備期間として在留特別許可が出た事例(D類型許可第7事例)

2026/08/07

事例の概要

在留特別許可が出国の準備期間として与えられた例です。平成26年分事例集(出入国在留管理庁が公表)のD類型(その他)許可第7事例で、結論は許可です。違反態様は不法入国、端緒は児童相談所による保護、在日約11年1月・違反約11年1月です。在留希望の理由は出国準備のためとされ、特記事項には、実母の育児放棄により児童相談所に保護されていたこと、本国の実父に引き取られるに当たり準備期間を要したことが記されています。刑事処分はなく、被退去強制歴の記載もありません。許可内容は特定活動(6月)です。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

当てはめは令和6年3月改定の現行ガイドラインによります。本事例自体は改正入管法施行(令和6年6月10日)前、改定前ガイドラインの下での判断です。

  • 積極要素・人道上の配慮:第2の7が列挙するのは難病等の治療、本国情勢による帰国困難、無国籍で、本事例は列挙自体には当たりません。公的機関に保護されていた児童であるという事情が人道上の配慮として考慮されたと読めます。
  • 積極要素:子の利益の保護の必要性。令和6年3月改定で明示された要素で(参議院附帯決議14項)、本事例では本国の実父への引継ぎを安全に行うという形で現れています。
  • 第2の9:端緒は児童相談所による保護ですので、自ら出頭したことには当たりません。
  • 消極要素・第2の5:約11年1月の不法在留。
  • 消極要素・第2の6:不法入国という退去強制事由。どの号に当たるかは事案ごとに条文に当たって確認する必要があります。

結論を分けた一線はどこか

本事例が示すのは、在留特別許可が生活の継続だけでなく、出国に向けた準備期間を確保する手段としても機能することです。求めるものが在留の継続でないため、天秤の重さが変わります。同じ平成26年D類型の不許可第4事例は、在日約24年2月と期間は長いものの、家族はすべて本国に居住し、そのうえで在留の継続を求めて不許可となりました。本国に家族がいるという同じ事実が、何を求めるかによって逆の方向に働いていると読めます。

弁護士のコメント

児童の保護に関わる事案ですので、内容には抑制的に触れます。

第1に、在留特別許可の使い方です。実務では在留の継続のみが目標とされがちですが、本事例のように帰国の準備や引継ぎのため短期間の在留を求める形もあります。

第2に、公的機関の記録です。保護の経緯は、本人の置かれた状況を客観的に示す資料になります。手続は違反調査、違反審査(認定)、口頭審理(判定)、異議申出と進み、注4は令書発付後の事情変更を原則として考慮しません。保護の経過と受入れの見通しは早い段階で反映させる必要があります。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

公表事例は各年20件前後の抜粋で、許可された事案の全体像ではありません。似た事情の許可例が見つからないことは、可能性がないことの証明にはなりません。当事務所が担当した不法就労助長の事案も、公表事例で不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得て、その後も違反認定処分の取消しを争っております。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続に注力しております。担当は松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)です。

観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの在留資格を失い、不法滞在で逮捕・起訴された事案では、婚姻と認知が未了で当局から一旦不受理とされたところ、憲法的な観点から交渉して婚姻と認知を成立させ、入管当局の過去の許可事例を分析して、1度の申請で在留特別許可を獲得しております。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制に至るため、当事務所は起訴前の段階からの不起訴処分の獲得を最優先の目標としております。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします。外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐し、依頼者ご本人のために動きます。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

何を目標に据えるかによって、在留特別許可の求め方も準備すべき資料も変わってまいります。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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