舟渡国際法律事務所

平成26年・人身取引被害者として保護され特定活動(1月)|早期の帰国を希望した方に在留特別許可が出た事例(D類型許可第5事例)

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平成26年・人身取引被害者として保護され特定活動(1月)|早期の帰国を希望した方に在留特別許可が出た事例(D類型許可第5事例)

平成26年・人身取引被害者として保護され特定活動(1月)|早期の帰国を希望した方に在留特別許可が出た事例(D類型許可第5事例)

2026/08/07

事例の概要

在留特別許可が在留の継続ではなく保護と帰国のために用いられた例です。平成26年分事例集(出入国在留管理庁が公表)のD類型(その他)許可第5事例で、結論は許可です。違反態様は不法残留、端緒は当局の摘発、在日約2月・違反約2月です。特記事項には、人身取引被害者として公的機関に保護されたこと、国際機関の支援を受けて早期の帰国を希望したことが記されています。在留希望の理由の欄は該当なしとされています。刑事処分はなく、被退去強制歴の記載もありません。許可内容は特定活動(1月)で、被害の詳細には立ち入りません。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

当てはめは令和6年3月改定の現行ガイドラインによります。本事例自体は改正入管法施行(令和6年6月10日)前、改定前ガイドラインの下での判断です。

  • 積極要素・人道上の配慮:第2の7が列挙するのは難病等の治療、本国情勢による帰国困難、無国籍で、本事例は列挙自体には当たりません。人身取引の被害者として公的機関に保護された経緯が人道上の配慮として考慮されたと読めます。
  • 第2の9:端緒は摘発ですので、自ら出頭したことには当たりません。
  • 消極要素・第2の5:不法在留は約2月と短期です。
  • 消極要素・第2の6:不法残留という退去強制事由。どの号に当たるかは事案ごとに条文に当たって確認する必要があります。
  • なお、被害者性が認められる場合の評価は、自ら売春を行い又は他人に売春を行わせる行為(第2の3(エ))として消極に評価される事案とは全く異なります。

結論を分けた一線はどこか

本事例で決定的だったのは、公的機関による保護と国際機関の支援という客観的な裏付けであると読めます。同じ平成26年D類型の不許可第3事例は、在日約2月と期間は同じですが、被退去強制歴を隠して上陸許可を受けたことが発覚し、在留資格を取り消された事案でした。期間の長短ではなく、被害を受けた側に立つのか、自ら虚偽の申告をした側に立つのかが結論を分けたと考えられます。

弁護士のコメント

2点に絞ります。

第1に、被害者性の位置づけです。表面の違反態様が同じでも、被害を受けた立場にあると認められるかで評価は根本的に変わります。だからこそ初期の聴取で本人の置かれていた状況が正確に記録されることが重要です。捜査機関の通訳とは別に、本人のために動く通訳を確保する意味もここにあります。

第2に、公的機関との連携です。被害が疑われる場合、公的機関や国際機関による保護の記録が残ることで、退去強制手続での主張が客観的な裏付けを得ます。違反調査の段階から保護の経緯を手続に反映させておく必要があります。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集は各年20件前後の抜粋にとどまり、その年の許可の全部ではありません。同じ事情の許可例が見当たらないことは、許可の可能性がないことを意味しません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、許可後も違反認定処分の取消しを争っております。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続に注力しております。担当は松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)です。

特殊詐欺の出し子とされた20代の女性について、指示役からの欺罔や脅迫的な状況、犯意の不存在を総合的に主張し、不起訴処分を獲得しております。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制に至るため、当事務所は起訴前の段階からの不起訴処分の獲得を最優先の目標としております。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします。外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐し、依頼者ご本人のために動きます。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

被害を受けた立場にある方の場合、その事実が手続の記録に正確に残ることが何より重要になります。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

舟渡国際法律事務所

ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
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