舟渡国際法律事務所

平成26年・約19年7月の不法残留でも出頭申告して定住者(1年)|本邦に生活基盤があることが評価された事例(D類型許可第1事例)

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平成26年・約19年7月の不法残留でも出頭申告して定住者(1年)|本邦に生活基盤があることが評価された事例(D類型許可第1事例)

平成26年・約19年7月の不法残留でも出頭申告して定住者(1年)|本邦に生活基盤があることが評価された事例(D類型許可第1事例)

2026/08/07

事例の概要

家族関係の記載がないまま、生活基盤を理由に許可された例です。平成26年分事例集(出入国在留管理庁が公表)のD類型(その他)許可第1事例で、結論は許可です。違反態様は不法残留、端緒は出頭申告で、在日約20年・違反約19年7月です。在留を希望する理由は、本邦に生活基盤があることです。刑事処分はなく、被退去強制歴の記載もありません。許可内容は定住者(1年)です。婚姻関係や子については原典の表に欄がなく、記載からは判明しません。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

当てはめは令和6年3月改定の現行ガイドラインによります。本事例自体は改正入管法施行(令和6年6月10日)前、改定前ガイドラインの下での判断です。

  • 積極要素・第2の9:不法滞在を申告するため自ら出頭したこと。
  • 積極要素・その他:地域社会との関係構築、第三者の支援、税の納付状況など。在留希望の理由が本邦の生活基盤である点は、ここに位置づけられます。
  • 第2の2の家族関係:事例集に記載がなく、当てはめができません。
  • 消極要素・第2の5:約19年7月という長期の不法在留。令和6年改定で明示的な消極要素とされました。
  • 消極要素・第2の6:不法残留という退去強制事由。どの号に当たるかは事案ごとに条文に当たって確認する必要があります。

結論を分けた一線はどこか

第3は、積極要素が消極要素を明らかに上回る場合に許可の方向で検討するとします。本事例は不法在留が約19年7月に及びますが、自ら出頭し、本邦の生活基盤が認められて許可されています。同じ平成26年D類型の不許可第4事例は、在日約24年2月と期間はさらに長く、同じく本邦に生活基盤があると主張していましたが、当局の摘発によって発覚し、単身で生活し両親・姉弟・妻子はすべて本国に居住していました。期間の長短ではなく、発覚の端緒と生活の実体が結論を分けたと読めます。

弁護士のコメント

刑事処分のない事例ですから、次の2点が中心になります。

第1に、出頭申告の重み付けです。第2の9は自ら出頭したことを積極要素としますが、出頭すれば許可されるというものではありません。出頭は退去強制手続の入口であり、その後の違反審査、口頭審理、異議申出で積極要素を立証する前提が整うにすぎません。

第2に、生活基盤という主張の中身です。生活基盤は抽象的な言葉ですので、居住の継続、就労と収入、納税、家賃や公共料金の支払、地域での活動、支援してくれる第三者の陳述といった具体的な資料に分解して示す必要があります。注4は退去強制令書の発付後の事情変更を原則として考慮しませんので、提出は早い段階が望ましいところです。必要な資料は事案によります。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集に掲載されるのは各年20件前後にとどまり、その年の許可の全部ではありません。同じ事情の許可例が見当たらないことは、許可の可能性がないことを意味しません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、許可後も違反認定処分の取消しを争っております。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続に注力しております。担当は松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)です。

観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの在留資格を失い、不法滞在で逮捕・起訴された事案では、婚姻と認知が未了で当局から一旦不受理とされたところ、憲法的な観点から交渉して婚姻と認知を成立させ、入管当局の過去の許可事例を分析して、1度の申請で在留特別許可を獲得しております。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制に至るため、当事務所は起訴前の段階からの不起訴処分の獲得を最優先の目標としております。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします。外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐し、依頼者ご本人のために動きます。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

長期の不法残留であっても、出頭の時期と生活基盤の立証の組み立てによって結論は変わり得ます。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
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