舟渡国際法律事務所

平成26年・不法入国から約21年、14歳の子と母に定住者(1年)|母子で出頭申告して許可された事例(C類型許可第3事例)

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平成26年・不法入国から約21年、14歳の子と母に定住者(1年)|母子で出頭申告して許可された事例(C類型許可第3事例)

平成26年・不法入国から約21年、14歳の子と母に定住者(1年)|母子で出頭申告して許可された事例(C類型許可第3事例)

2026/08/07

事例の概要

違反態様が不法入国であっても許可された例です。出入国在留管理庁が公表した平成26年分事例集のC類型(外国人家族の場合)許可第3事例で、結論は許可です。母子ともに定住者(1年)が認められました。本人は不法入国で、在日約21年・違反約21年です。端緒は母子での出頭申告です。子は14歳で、本邦で出生した後に在留資格を取得していない状態でした。子の父親とは交流がありません。刑事処分はなく、被退去強制歴の記載もありません。就学状況は判明しません。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

当てはめは令和6年3月改定の現行ガイドラインによります。本事例自体は改正入管法施行(令和6年6月10日)前、改定前ガイドラインの下での判断です。

  • 積極要素・第2の2(3):子は本邦で出生し、14年の生活の全部が本邦にあります。監護養育者である母も同項の対象になり得ますが、就学の記載はなく断定はできません。
  • 積極要素:家族とともに本邦で生活する子の利益の保護の必要性。明示は令和6年3月改定(参議院附帯決議14項)です。
  • 積極要素・第2の9:母子での出頭申告。
  • 消極要素・第2の5:約21年の不法在留。令和6年改定で明示的な消極要素とされました。
  • 消極要素・第2の6:不法入国という退去強制事由。不法残留より重く評価される余地があります。どの号に当たるかは事案ごとに条文に当たって確認する必要があります。

結論を分けた一線はどこか

第3の判断手法は、積極要素が消極要素を明らかに上回る場合に許可の方向で検討するとします。本事例は不法入国に約21年の不法在留が重なりますが、それでも許可されています。決め手は、14歳の子が生活の全部を本邦で送り、本国での就学や生活が現実的でないと評価された点であると読めます。同じ平成26年C類型の不許可第2事例も母子での出頭申告・不法入国・父親との交流なしという共通点がありますが、子は6歳、在日約6年11月でした。違反態様が同じでも、子が本邦で積み上げた年数が結論を分けたと読めます。

弁護士のコメント

2点を挙げます。

第1に、不法入国であることは消極要素として残りますが、それを理由に許可の可能性がないと考えるのは早計です。第2の2(3)に相当する事情と出頭申告が重なれば、不法入国でも許可の方向で検討され得ることを本事例は示しています。

第2に、示すべき資料です。子については本邦での就学の履歴、本国の言語や教育制度への適応の困難、本国に養育者がいないことが中心です。母については監護養育の実態と生計の状況です。注4は令書発付後の事情変更を原則として考慮しませんから、違反審査から口頭審理までに提出すべきものです。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

公表される事例は各年20件前後で、その年の許可のごく一部です。同じ組合せの許可例が見えないことは、可能性がないことを示しません。当事務所が扱った不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、今も違反認定処分の取消しを争っております。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続に注力しております。担当は松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)です。

不法就労助長罪に問われ強制退去の危機に至った女性の事案では、退去強制事由の判断に故意・過失を要しないとする従来の実務の当否を正面から問う訴訟を係争中です。この事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を獲得しており、許可後もなお違反認定処分そのものの取消しを争っております。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制に至るため、当事務所は起訴前の段階からの不起訴処分の獲得を最優先の目標としております。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします。外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐し、依頼者ご本人のために動きます。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

不法入国という違反態様であっても、子の生活の実体をどこまで具体的に示せるかが分かれ目になり得ます。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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