舟渡国際法律事務所

平成26年・違法薬物の密輸入で懲役10年・罰金300万円の実刑判決|婚姻約19年・未成年の子2人でも不許可(B類型不許可第5事例)

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平成26年・違法薬物の密輸入で懲役10年・罰金300万円の実刑判決|婚姻約19年・未成年の子2人でも不許可(B類型不許可第5事例)

平成26年・違法薬物の密輸入で懲役10年・罰金300万円の実刑判決|婚姻約19年・未成年の子2人でも不許可(B類型不許可第5事例)

2026/08/07

事例の概要

家族関係が厚くても、退去強制理由の重さが上回ることがあります。平成26年分事例集(出入国在留管理庁が公表)のB類型(配偶者が正規に在留する外国人の場合)不許可第5事例です。違反態様は刑罰法令違反、端緒は警察による逮捕、在日約18年です。違反期間の欄は原典では斜線(該当なし)です。婚姻は約19年、未成年の子が2人おり、配偶者の在留資格の記載はありません。刑事処分は麻薬及び向精神薬取締法違反及び関税法違反により懲役10年、罰金300万円の判決で、違法薬物の密輸入による実刑です。被退去強制歴が1回あります。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

当てはめは令和6年3月改定の現行ガイドラインによります(懲役は事例集公表当時の原典表記であり、現行法では拘禁刑に相当します)。本事例自体は改正入管法施行前の判断です。

  • 消極要素・第2の6:違法薬物の密輸入による実刑。反社会性の程度は極めて高いです。
  • 入管法24条4号チは薬物関係法令違反による有罪を退去強制事由とし、執行猶予でも該当し、実刑の本事例は当然に当たります。
  • 入管法24条4号リは無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者を退去強制事由とし、本事例もこれに当たります。
  • 消極要素:被退去強制歴1回。
  • 積極要素・第2の2(2):婚姻約19年と未成年の子2人。ただし配偶者の在留資格の記載がなく、別表第二かは不明です。
  • 積極要素:家族とともに本邦で生活する子の利益の保護の必要性。第2の9は端緒が逮捕のため働きません。

結論を分けた一線はどこか

同年B類型の許可第5事例と比べます。そちらも刑罰法令違反で警察に逮捕されましたが、刑事処分は罰金5万円の略式命令にとどまり、婚姻約6年1月と未成年の子2人で許可されました。

本事例の婚姻は約19年で、許可事例よりはるかに長いです。それでも結論が逆になったのは、退去強制理由となった事実の反社会性の差だと読めます。第3の「明らかに上回る」という要件は、薬物の密輸入による実刑の前では高い壁です。

弁護士のコメント

第1に、薬物事件では執行猶予を目標にしても足りません。24条4号チは執行猶予でも退去強制事由となるため、在留の維持を考えるなら不起訴処分の獲得が実質的な分岐点です。

第2に、薬物の認識です。運搬や輸入の事案では中身を知っていたかが最大の争点で、刑事段階で故意を争い抜くことが後の入管手続の主張の土台になります。結論を予測できる論点ではありません。

第3に、現行法との関係です。令和5年改正入管法50条1項ただし書により、1年を超える拘禁刑の実刑や薬物関係の号に該当する者は、在留を許可しないことが人道上の配慮に欠ける特別の事情がある場合に限り許可されます。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

薬物事件で実刑となった事案の壁は高いですが、事例集の並びは各年20件前後の抜粋にすぎません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、許可後も違反認定処分の取消しを争っております。傾向を結論と取り違えないことが出発点です。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続に注力しております。松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当いたします。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者について、徹底した証拠分析と被告人質問・反対尋問により無罪判決を獲得しております。裁判員裁判の対象事件や広く報道された重大事件にも多数対応してまいりました。

在留資格を失い不法滞在で逮捕・起訴された相談者の事案では、当局との交渉により婚姻と認知を成立させ、過去の許可事例を分析して1度の申請で在留特別許可を獲得しております。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制に至るため、当事務所は起訴前の段階からの不起訴処分の獲得を最優先の目標としております。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐しております。刑事手続後の在留資格の更新・変更は、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

薬物事件では、最初の段階からの弁護方針が在留の帰趨を左右いたします。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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