舟渡国際法律事務所

平成26年・不法入国から約18年でも在留特別許可|前夫との間の日本国籍の実子を養育し日本人配偶者と婚姻約1年11月(A類型許可第3事例)

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平成26年・不法入国から約18年でも在留特別許可|前夫との間の日本国籍の実子を養育し日本人配偶者と婚姻約1年11月(A類型許可第3事例)

平成26年・不法入国から約18年でも在留特別許可|前夫との間の日本国籍の実子を養育し日本人配偶者と婚姻約1年11月(A類型許可第3事例)

2026/08/07

事例の概要

夫婦間に子がなくても、日本国籍の子を養育していれば評価は変わります。平成26年分事例集(出入国在留管理庁が公表)のA類型(配偶者が日本人の場合)許可第3事例で、結論は許可です。違反態様は不法入国、端緒は出頭申告で、在日約18年の全部が違反期間です。日本人配偶者との婚姻は約1年11月で、現夫との間に子はありませんが、前夫との間の日本国籍を有する実子を養育していたと記されています。刑事処分はなく、被退去強制歴の記載もありません。許可内容は日本人の配偶者等(1年)です。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

当てはめは令和6年3月改定の現行ガイドラインによります。本事例自体は改正入管法施行(令和6年6月10日)前、改定前ガイドラインの下での判断です。

  • 積極要素・第2の2(1)(イ):日本人の実子を相当期間同居して監護養育していること。前夫との子が日本国籍で、その養育が続いていた点がここに向きます。もっとも同項は未成年で未婚の実子を前提とし、子の年齢の記載はありません。
  • 積極要素・第2の2(1)(ウ):日本人との法的な婚姻。期間は約1年11月です。
  • 積極要素:家族とともに本邦で生活する子の利益の保護の必要性。明示は令和6年3月改定です。
  • 積極要素・第2の9:出頭申告。
  • 消極要素・第2の5:約18年の不法在留。長期化が明示的な消極要素とされたのは令和6年改定です。
  • 消極要素・第2の6:不法入国という退去強制事由。どの号かは条文で確認が必要です。

結論を分けた一線はどこか

平成26年A類型の不許可第1事例と比べます。そちらも不法入国で出頭申告、在日約10年5月の全部が違反期間、婚姻約11月で子はなく、被退去強制歴が3回ありました。本事例は違反期間がより長いのに許可されています。

天秤を傾けたのは、日本国籍の実子を現に養育していた家族関係の実体と、退去強制を受けた履歴がなかったことの組合せだと読めます。不法在留の期間そのものは、この事例では決定的な要素になっていません。

弁護士のコメント

第1に、日本国籍の子を養育している事案では、婚姻期間の長さより養育の実体が中心に来ます。戸籍の記載、住民票による同居、学校や医療機関との関わりを示す資料を早期にそろえることが重要です。

第2に、争う段階です。手続は違反調査、違反審査(認定)、口頭審理(判定)、法務大臣への異議申出と進みます。注4は令書発付後の事情変更を原則として考慮しませんので、養育の実体は違反審査の段階で示しておきたいところです。

第3に、約18年という不法在留期間は、令和6年改定後は明示的な消極要素として評価されますので、現在は積極要素の立証をより厚くする必要があります。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集は各年20件前後の抜粋にとどまり、その年の判断のすべてではありません。似た事情の許可例が公表資料にないことを結論と受け取る必要はありません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、許可後も違反認定処分の取消しを争っております。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続に注力しております。松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当いたします。

観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの在留資格を失い、不法滞在で逮捕・起訴された事案では、婚姻と認知が未了で当局から一旦不受理とされたところ、憲法的な観点から交渉して婚姻と認知を成立させました。国籍国発行の公的書類がほとんど存在しない状況でも有利な証拠を集め、入管当局の過去の許可事例を分析して、1度の申請で在留特別許可を獲得しております。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制に至るため、当事務所は起訴前の段階からの不起訴処分の獲得を最優先の目標としております。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐しております。刑事手続後の在留資格の更新・変更は、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

日本国籍のお子さんを育てているという事情は、期間の長短とは別の重みを持ちます。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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