舟渡国際法律事務所

平成27年・永住者でも覚せい剤取締法違反の再犯で懲役1年4月の実刑、不許可|元夫との再婚を希望した事例(D類型不許可第7事例)

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平成27年・永住者でも覚せい剤取締法違反の再犯で懲役1年4月の実刑、不許可|元夫との再婚を希望した事例(D類型不許可第7事例)

平成27年・永住者でも覚せい剤取締法違反の再犯で懲役1年4月の実刑、不許可|元夫との再婚を希望した事例(D類型不許可第7事例)

2026/08/07

事例の概要

永住者という安定した在留資格でも失われ得る例です。平成27年分事例集(出入国在留管理庁公表)のD類型(その他)不許可第7事例です。違反態様は刑罰法令違反、端緒は警察の逮捕、在日約11年1月、違反期間の欄は原典で斜線(該当なし)です。刑事処分は、覚せい剤取締法違反により懲役1年4月の判決です(懲役は事例集公表当時の原典表記であり、現行法では拘禁刑に相当します)。在留希望の理由は、元夫と再婚したいというものです。特記事項には、永住者として在留中に覚せい剤取締法違反で有罪判決を受けたこと、前科1件(覚せい剤取締法違反により懲役1年6月、執行猶予3年)が記されています。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

当てはめは令和6年3月改定の現行ガイドラインによります。本事例自体は改正入管法施行(令和6年6月10日)前、改定前ガイドラインの下での判断です。

  • 積極要素・第2の2:永住者としての在留は生活の基盤を示しますが、同項は現に存在する家族関係を対象とします。元夫との再婚の希望は現在の家族関係ではありません。
  • 第2の9:端緒は警察による逮捕で、自ら出頭したことに当たりません。
  • 消極要素・第2の6:入管法24条4号チは薬物関係法令違反による有罪を退去強制事由とし、執行猶予でも該当します。加えて本事例は実刑で刑期が1年を超えるため、4号リ(無期又は1年を超える拘禁刑)にも当たります。
  • 消極要素:同種の前科が重なり、反社会性の評価が高まります。
  • 現行法では、これらに当たる場合、在留特別許可は50条1項ただし書により、人道上の配慮に欠けると認められる特別の事情がある場合に限られます。

結論を分けた一線はどこか

同じ平成27年D類型の許可第7事例は、被退去強制歴が1回あり警察の逮捕を端緒としながら、刑事処分等の欄が無で、本邦での就学と就労を土台に定住者(1年)が認められました。本事例は永住者という強い在留資格を持ちながら不許可です。在留資格の強さではなく、有罪判決とその累積という消極要素の重さが天秤を決めたと読めます。

弁護士のコメント

2点を挙げます。

第1に、4号リと4号チが重なる構造です。本事例の刑は実刑1年4月ですので4号リに当たり、同時に薬物関係法令違反として4号チにも当たります。仮に執行猶予を得ていても4号チの適用は免れません。薬物事件では、執行猶予の獲得を最終目標に据える弁護方針は在留の維持に届きません。不起訴処分を獲得できていれば、退去強制事由該当性そのものを生じさせずに済んだ可能性がありますが、断定はできません。

第2に、同種前科がある場合です。前科が重なるほど不起訴の獲得は難しくなり、量刑も重くなります。だからこそ最初の事件で不起訴を目指すことに意味があります。薬物事件では所持や使用の認識が争点になり得ますので、逮捕直後の方針決定と、ご本人のために動く通訳の確保が要になります。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集は各年20件前後の抜粋です。薬物関係法令違反の類型は不許可が並びますが、各事案の事情が異ならないことを意味しません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、許可後も違反認定処分の取消しを争っております。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続に注力しております。担当は松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)です。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者の事案では、徹底した証拠分析と被告人質問・反対尋問により無罪判決を獲得しております。国際刑事事件や裁判員裁判の対象事件、世界的に報道された事件にも対応してまいりました。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制に至るため、当事務所は起訴前の段階からの不起訴処分の獲得を最優先の目標としております。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします。外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐し、依頼者ご本人のために動きます。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

永住者であっても、薬物事件では在留の基礎が失われ得ます。最初の一件での対応が分かれ目になります。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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