舟渡国際法律事務所

平成27年・日系3世と身分を偽って約23年6月在留し不許可|道路交通法違反の前科があった事例(D類型不許可第2事例)

お問い合わせはこちら

平成27年・日系3世と身分を偽って約23年6月在留し不許可|道路交通法違反の前科があった事例(D類型不許可第2事例)

平成27年・日系3世と身分を偽って約23年6月在留し不許可|道路交通法違反の前科があった事例(D類型不許可第2事例)

2026/08/07

事例の概要

在日期間の長さが積極要素にならなかった例です。平成27年分事例集(出入国在留管理庁が公表)のD類型(その他)不許可第2事例です。違反態様は不法入国、端緒は当局の摘発、在日約23年6月・違反約23年6月です。在留希望の理由は、本国の家族及び離婚した妻との子を支援するため日本で働きたいというものです。刑事処分等の欄は無ですが、特記事項に、日系3世であると身分を偽って在留していたこと、前科1件(道路交通法違反により懲役1年6月、執行猶予4年)が記されています(懲役は事例集公表当時の原典表記であり、現行法では拘禁刑に相当します)。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

当てはめは令和6年3月改定の現行ガイドラインによります。本事例自体は改正入管法施行(令和6年6月10日)前、改定前ガイドラインの下での判断です。

  • 積極要素・第2の2:家族は本国の家族と離婚した妻との子で、本邦での家族関係の記載がありません。
  • 第2の9:端緒は当局の摘発ですので、自ら出頭したことに当たりません。
  • 消極要素・第2の5:不法在留は在日期間と同じ約23年6月。令和6年改定で明示的な消極要素とされました。
  • 消極要素・第2の6:不法入国という退去強制事由と、身分を偽って在留していた事実。どの号に当たるかは条文に当たって確認する必要があります。
  • 前科について:入管法24条4号リは無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者を退去強制事由としますが、全部執行猶予は除かれます。本事例の前科は執行猶予付きで同号に当たりません。もっとも有罪判決の事実自体は、第2の6の反社会性の評価に影響します。

結論を分けた一線はどこか

同じ平成27年D類型の許可第2事例は、在日約26年5月で、日本人配偶者と死別した後に自ら出頭し、定住者(1年)が認められています。在日期間はいずれも20年を超え、長さだけで結論が決まっていません。本事例で天秤が動かなかったのは、その期間が日系3世という偽りの身分の上に積み上げられていた点にあると読めます。年月が積極要素として評価されるには、その土台が正確な申告であることが前提と考えられます。

弁護士のコメント

2点を挙げます。

第1に、刑事処分の意味です。前科は執行猶予付きで4号リには当たりませんが、有罪判決を受けた事実は消極要素として残ります。刑事段階で不起訴処分を獲得できていれば、この消極要素を生じさせずに済んだ余地があります。もっとも不法入国という退去強制事由は別に存在しますので、それだけで退去強制手続を避けられたとは言い切れません。

第2に、身分事項の申告です。身分に関する虚偽が明らかになると、その後に述べる事情全体の信用性が損なわれます。生活の実態や支援の必要性を丁寧に述べても、土台が疑われれば天秤に載りにくくなります。注4は令書発付後の事情変更を原則として考慮しませんので、違反審査までの主張が要です。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

公表事例は各年20件前後にとどまります。不許可例が並ぶことは、同種の事情で許可された事案が存在しないことを意味しません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、許可後も違反認定処分の取消しを争っております。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続に注力しております。担当は松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)です。

特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案では、徹底した取調べ対応と不当な取調べへの抗議により、全件について不起訴処分を獲得しております。取調べで作られる供述の記録は、後の刑事裁判と入管手続の双方を左右いたします。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制に至るため、当事務所は起訴前の段階からの不起訴処分の獲得を最優先の目標としております。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします。外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐し、依頼者ご本人のために動きます。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

長く暮らしてきた事実を主張の力にするには、身分の申告が正確であることが前提となります。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

舟渡国際法律事務所

ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

----------------------------------------------------------------------
舟渡国際法律事務所
住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639


東京にて中国人の方をサポート

東京を中心に刑事事件の弁護

----------------------------------------------------------------------

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。