舟渡国際法律事務所

平成27年・在留資格未取得の16歳の子と母に定住者(1年)|在日約23年8月・違反約14年2月でも許可された事例(C類型許可第2事例)

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平成27年・在留資格未取得の16歳の子と母に定住者(1年)|在日約23年8月・違反約14年2月でも許可された事例(C類型許可第2事例)

平成27年・在留資格未取得の16歳の子と母に定住者(1年)|在日約23年8月・違反約14年2月でも許可された事例(C類型許可第2事例)

2026/08/07

事例の概要

日本で生まれたまま在留資格を得られずに育った子と、その母の例です。平成27年分事例集(出入国在留管理庁が公表)のC類型(外国人家族の場合)許可第2事例で、結論は許可です。違反態様は不法残留、端緒は母子での出頭申告です。母は在日約23年8月・違反約14年2月。子は本邦で出生した後に在留資格を取得しないままとなり、16歳と記載されています。刑事処分はなく、被退去強制歴の記載もありません。許可内容は母子とも定住者(1年)です。子の就学状況は事例集の記載からは判明しません。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

当てはめは令和6年3月改定の現行ガイドラインによります。本事例自体は改正入管法施行(令和6年6月10日)前、改定前ガイドラインの下での判断です。

  • 積極要素・第2の2(3):本邦で相当期間の教育を受け、本国での就学が困難で、地域社会に溶け込んでいる子とその監護養育者が対象です。子は本邦出生で16歳ですが、就学の記載がないため同項に当たると断定はできません。
  • 積極要素:家族とともに本邦で生活するという子の利益の保護の必要性。令和6年3月改定で明示されました(参議院附帯決議14項)。
  • 積極要素・第2の9:母子での出頭申告。
  • 消極要素・第2の5:母の不法在留は約14年2月と長期です。令和6年改定で明示的な消極要素とされましたので、同じ事情でも現在は評価が厳しくなり得ます。
  • 消極要素・第2の6:不法残留という退去強制事由。どの号に当たるかは条文に当たって確認する必要があります。

結論を分けた一線はどこか

約14年2月という長い不法在留にもかかわらず許可されています。天秤を傾けたのは、子が本邦で生まれ16歳になるまでの生活のほぼ全部を本邦で送ってきたこと、そして母子がそろって自ら出頭したことであると読めます。同じ平成27年C類型の不許可第3事例は、在日約9年・違反約6年11月で、子は2歳、端緒は当局の摘発でした。子が本邦で積み上げた年月の厚みと、発覚の端緒が自らの出頭であったかどうかが分かれ目であったと考えられます。

弁護士のコメント

刑事処分のない事例ですので、2点を挙げます。

第1に、本邦で生まれた子について在留資格の取得手続がとられないままとなった状態です。子自身には手続を選ぶ余地がありません。本人の帰責性が乏しいという点は、正面から主張すべき事情です。

第2に、長期の不法在留がある場合の組み立てです。第2の5は令和6年改定で明示的な消極要素となりましたが、その期間に本邦で築いた関係は別に積極要素として考慮される留保があります。手続は違反調査、違反審査(認定)、口頭審理(判定)、異議申出と進み、注4は令書発付後の事情変更を原則として考慮しません。在学や地域との関わりを示す資料は早い段階で提出したいところです。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

公表される事例は各年20件前後にとどまり、許可された事案の全部ではありません。自分と同じ事情の許可例が見つからないとしても、それは許可の可能性がないことの証明にはなりません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ております。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続に注力しております。担当は松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)です。

不法就労助長に問われ退去強制の危機にあった女性の事案では、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を獲得し、その後も退去強制事由に故意・過失を要しないとする従来の実務の当否を問う訴訟を続けております。

国際刑事事件や裁判員裁判の対象事件、世界的に報道された事件にも対応してまいりました。多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制に至るため、当事務所は起訴前の段階からの不起訴処分の獲得を最優先の目標としております。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします。外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐し、依頼者ご本人のために動きます。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携する行政書士とワンストップで対応いたします。

結語

不法在留が長期に及んでいても、子が本邦で重ねてきた生活を資料で示せるかが要点になります。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

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