舟渡国際法律事務所

平成27年・窃盗で懲役2年4月の実刑・同種前科1件で不許可|未成年の子1人がいても許可されなかった事例(B類型不許可第4事例)

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平成27年・窃盗で懲役2年4月の実刑・同種前科1件で不許可|未成年の子1人がいても許可されなかった事例(B類型不許可第4事例)

平成27年・窃盗で懲役2年4月の実刑・同種前科1件で不許可|未成年の子1人がいても許可されなかった事例(B類型不許可第4事例)

2026/08/07

事例の概要

未成年の子がいても、実刑判決と前科が重なると結論は動きません。平成27年分の事例集(出入国在留管理庁が公表)のB類型(配偶者が正規在留外国人の場合)不許可第4事例です。

違反態様は刑罰法令違反、端緒は警察逮捕。在日期間は約11年2月で、違反期間の欄には該当なしを示す斜線があります。婚姻期間は約2年3月、夫婦間に未成年の子が1人います。配偶者の在留資格は記載がなく判明しません。刑事処分は窃盗により懲役2年4月の判決で、執行猶予は付いていません(懲役は事例集公表当時の原典表記であり、現行法では拘禁刑に相当します)。窃盗の前科1件もあります。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

  • 第2の2(2):婚姻約2年3月と未成年の子1人という家族関係があります。もっとも同号が特に考慮するのは別表第二の在留資格者との家族関係で、本事例では配偶者の在留資格の記載がなく、乗るかを判断できません。
  • 子の利益(積極):本邦で家族とともに生活する子の利益の保護の必要性。明示は令和6年3月改定によります。
  • 第2の6(消極):窃盗による実刑判決。入管法24条4号リは無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者を退去強制事由とし全部執行猶予を除きますが、本件は実刑で同号に当たります。
  • 素行(消極):窃盗の前科1件。同種の財産犯を繰り返した経緯は評価を重くします。
  • 第2の9:端緒は警察逮捕ですので、自ら出頭したことによる積極要素はありません。

結論を分けた一線はどこか

未成年の子と約2年3月の婚姻に対し、1年を超える実刑と同種前科が並びました。ガイドライン第3の枠組みでは、この配置で天秤は動きません。

同じB類型の許可第4事例は、婚姻約1年3月で子1人という似た家族構成ですが、刑事処分がなく配偶者が永住者と明記され、自ら出頭して許可されました。なお本事例は令和5年改正入管法の施行前、ガイドライン改定前の判断です。

弁護士のコメント

第1に、量刑の1年という線の意味です。同じ罪名でも、1年を超える実刑かで入管法上の扱いが変わります。改正後は、無期又は1年を超える拘禁刑の実刑に処せられた者は、在留を許可しないことが人道上の配慮に欠けると認められる特別の事情がある場合に限り許可されます(50条1項ただし書)ので、同種の事情は現在この枠で判断されます。起訴前に不起訴処分を獲得できていれば、この号への該当を生じさせずに済んだ可能性があります。財産犯では被害の回復と交渉が不起訴の可能性を左右し、初動の速さが結果に直結します。

第2に、前科がある方の事案では、前回の経緯と現在の生活の違いを具体的に示す準備が欠かせません。再犯という見え方のまま手続が進むと、子の事情が検討される前に結論が固まりかねません。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集は各年20件前後の抜粋です。実刑判決を受けた方の許可例は多くありませんが、改正後の事例集では50条1項ただし書による許可が独立の類型として示されています。当事務所が担当した不法就労助長の事案も、不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)の松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)は、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野としています。

特殊詐欺の受け子として複数回の再逮捕を受けた事案では、取調べへの対応を徹底し、不当な取調べへの抗議を重ねて、全件について不起訴処分を獲得しました。

観光目的で来日された方が日本人女性との間にお子さんを授かったものの在留資格を失い、不法滞在で逮捕・起訴された事案では、一旦は不受理とされた婚姻と認知を憲法的な観点から当局と交渉して成立させ、過去の許可事例を分析した上で、1度の申請で在留特別許可を獲得しました。

多くの罪名では執行猶予でも結果として退去強制となるため、起訴前からの不起訴処分の獲得を最優先の目標とします。接見の初動から公判の結審まで松村弁護士自身が全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐して、依頼者ご本人のために動く立場から通訳します。刑事手続後の在留資格の更新・変更も、提携する行政書士とワンストップで対応できます。

結語

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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