舟渡国際法律事務所

平成27年・覚せい剤取締法違反で懲役2年6月・執行猶予3年、婚姻約2月で不許可|日本人配偶者がいても許可されなかった事例(A類型不許可第4事例)

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平成27年・覚せい剤取締法違反で懲役2年6月・執行猶予3年、婚姻約2月で不許可|日本人配偶者がいても許可されなかった事例(A類型不許可第4事例)

平成27年・覚せい剤取締法違反で懲役2年6月・執行猶予3年、婚姻約2月で不許可|日本人配偶者がいても許可されなかった事例(A類型不許可第4事例)

2026/08/07

事例の概要

薬物事件で執行猶予がついた場合、日本に残れるのか。平成27年分の事例集(出入国在留管理庁が公表)のA類型(配偶者が日本人の場合)不許可第4事例が、この問いに関わります。

違反態様は刑罰法令違反(不法残留)、端緒は警察逮捕。在日期間は約7年8月、うち違反期間は約2年6月です。婚姻期間は約2月で、夫婦間の子はありません。刑事処分は、覚せい剤取締法及び入管法違反(不法残留)により懲役2年6月、執行猶予3年の判決です(懲役は事例集公表当時の原典表記であり、現行法では拘禁刑に相当します)。特記事項の欄は空欄です。判断は令和5年改正入管法の施行前、現行ガイドラインの改定前のものです。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

  • 第2の2(1)(ウ):日本人との婚姻はありますが、期間は約2月にとどまり、子もありません。相当期間の共同生活という要素を満たしていません。
  • 第2の9:端緒が警察逮捕ですので、自ら出頭したことによる積極要素はありません。
  • 第2の6(消極):薬物関係法令違反による有罪判決。入管法24条4号チは薬物関係法令違反による有罪を退去強制事由としており、執行猶予が付いた場合も該当します。反社会性の評価は重くなります。
  • 第2の5(消極):約2年6月の不法在留期間。

積極要素として挙げられる事情が、事例集の記載からはほとんど見当たりません。

結論を分けた一線はどこか

天秤の一方に薬物事件の有罪判決、他方に約2月の婚姻という構図です。ガイドライン第3は積極要素が消極要素を明らかに上回る場合に許可の方向で検討するとしますので、この配置で許可に至らなかったのは筋の通った結論と読めます。

同じ平成27年A類型の許可第1事例は、婚姻期間約1年5月に未成年の子1人があり、刑事処分もなく、自ら出頭して許可されました。並べると、薬物事件の有無が結論を分ける最大の要因であり、婚姻の実質がそれを覆すには相当の厚みを要することが分かります。

弁護士のコメント

第1に、この類型では執行猶予を目標に据えてはいけません。入管法24条4号リは無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者を対象としつつ全部執行猶予を除きますが、4号チは執行猶予でも該当します。つまり薬物事件では、執行猶予を得ても退去強制事由そのものが残ります。起訴前の段階で不起訴処分を獲得できていれば、この退去強制事由該当性を生じさせずに済んだ可能性があります。弁護活動を不起訴獲得に照準する意味は、この構造から出てきます。

第2に、薬物の認識です。所持や使用の事案では、対象物が規制薬物であることの認識が争点になり得ます。認識を刑事段階で徹底して争うことが、後の入管手続の土台になります。結論を予測することはできません。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

事例集は各年20件前後の抜粋です。薬物事件で許可された例が同じ年のA類型に見当たらないとしても、それは網羅的な統計ではありません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)の松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)は、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野としています。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者の事案では、証拠を徹底して分析し、被告人質問と反対尋問を尽くして無罪判決を獲得しました。裁判員裁判の対象事件や報道された重大事件にも多数対応しています。

観光目的で来日された方が日本人女性との間にお子さんを授かったものの在留資格を失い、不法滞在で逮捕・起訴された事案では、一旦は不受理とされた婚姻と認知を憲法的な観点から当局と交渉して成立させ、過去の許可事例を分析した上で、1度の申請で在留特別許可を獲得しました。

多くの罪名では執行猶予でも結果として退去強制となるため、起訴前からの不起訴処分の獲得を最優先の目標とします。接見の初動から公判の結審まで松村弁護士自身が全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐して、依頼者ご本人のために動く立場から通訳します。刑事手続後の在留資格の更新・変更も、提携する行政書士とワンストップで対応できます。

結語

本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

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