平成27年・風営法違反幇助で罰金30万円の略式命令、同居の疑義で不許可|違反期間約4月・婚姻約2年8月でも許可されなかった事例(A類型不許可第3事例)
2026/08/07
事例の概要
違反期間は約4月、婚姻期間は約2年8月。期間の面では有利に見えるのに不許可となった事例です。平成27年分の事例集(出入国在留管理庁が公表)のA類型(配偶者が日本人の場合)不許可第3事例です。
違反態様は刑罰法令違反(不法残留)、端緒は警察逮捕。在日約2年4月のうち違反期間は約4月です。婚姻期間は約2年8月で、夫婦間の子はありません。刑事処分は、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律違反の幇助により罰金30万円の略式命令です。特記事項には、同居・婚姻の実態に疑義が持たれたことが記載されています。判断は令和5年改正入管法の施行前、現行ガイドラインの改定前のものです。
ガイドラインのどの評価要素に当たるか
- 第2の2(1)(ウ):婚姻期間約2年8月は短くありませんが、同居の実態に疑義が持たれていますので、共同生活と相互扶助という実質が認められず、この積極要素は立ちません。
- 第2の9:端緒が警察逮捕ですので、自ら出頭したことによる積極要素はありません。
- 第2の6(消極):不法残留という退去強制事由に、罰金の略式命令という刑事処分が加わります。どの号に当たるかは条文で確認する必要があります。
- 第2の5:約4月の不法在留期間。期間の短さが結論を左右していないことは明らかです。
結論を分けた一線はどこか
期間の数字はむしろ有利な事例でした。天秤を傾けたのは、警察逮捕という発覚の端緒、有罪の刑事処分、そして同居・婚姻の実態への疑義という3つの重なりと読めます。
同じ平成27年A類型の許可第5事例は、同じく自ら出頭していない当局摘発の事案で、婚姻期間は約1年と本事例より短いのですが、未成年の子がおり刑事処分もなく許可されました。両者を並べると、発覚の端緒が不利でも家族生活の実体と刑事処分の不存在がそろえば許可の余地があり、逆にその2つを欠くと婚姻期間の長さでは補えないと読めます。
弁護士のコメント
第1に、刑事段階の位置づけです。本件は罰金の略式命令ですので、無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者を対象とする入管法24条4号リには当たりません。それでも有罪の事実は第2の6の評価に直接影響します。不起訴処分を獲得できていれば、この消極要素の一部を生じさせずに済んだ可能性があります。
第2に、幇助という罪名の性質です。幇助の成否は、正犯の営業がどのような状態にあったかの認識に左右されます。入管実務では退去強制事由の判断に故意・過失を要件としない運用が長く踏襲されてきましたが、松村大介弁護士はその当否を正面から問う訴訟を現に続けています。認識の有無を刑事段階で徹底して争うことが、後の入管手続における主張の基礎になります。
公表されていない事案でも許可はあり得ます
事例集の掲載は各年20件前後にとどまります。刑事処分がある事案の許可例が同じ年のA類型に見当たらないとしても、それは抜粋の中の話です。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、なお違反認定処分の取消しを争っています。
当事務所のご案内
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)の松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)は、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野としています。
特殊詐欺の出し子とされた20代の女性の事案では、指示役からの欺罔と脅迫的な状況、犯意の不存在を総合的に主張し、不起訴処分を獲得しました。
観光目的で来日された方が日本人女性との間にお子さんを授かったものの在留資格を失い、不法滞在で逮捕・起訴された事案では、一旦は不受理とされた婚姻と認知を憲法的な観点から当局と交渉して成立させ、過去の許可事例を分析した上で、1度の申請で在留特別許可を獲得しました。
多くの罪名では執行猶予でも結果として退去強制となるため、起訴前からの不起訴処分の獲得を最優先の目標とします。接見の初動から公判の結審まで松村弁護士自身が全工程を直接担当し、外国人事件に精通した中国語の専属通訳が常駐して、依頼者ご本人のために動く立場から通訳します。刑事手続後の在留資格の更新・変更も、提携する行政書士とワンストップで対応できます。
結語
本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。
本記事は2026年8月時点の情報です。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。
舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119
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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
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